オーストリア首相が、ロシアのウクライナ侵攻後に西側首脳としては初めてロシアのプーチン大統領に直接会ったが、特別な成果を得ることはできなかった。
オーストリアのカール・ネーハマー首相は11日、ロシアを訪問し、ウラジーミル・プーチン大統領に会った後、ウクライナ危機の外交的な解決見通しについて「非常に悲観的」だとする見方を示した。AFP通信が報じた。
同首相はプーチン大統領が「戦争の論理に強く没入していた」とし、「私に楽観的なのか悲観的なのかを問うのであれば、極めて悲観的だと言う」と語った。また「平和交渉と対話には常に多くの時間を要するが、軍事論理では簡単に『時間を浪費せず、ただちに戦争に入る』となる」と付け加えた。
今回の首脳会談は、ロシアのウクライナ侵略後に初めて欧州連合(EU)加盟国の首脳とプーチン大統領が対面で会談したため、特に注目を集めた。
ネーハマー首相は、プーチン大統領がウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に「直接会って話しあうことには、ほとんど関心を示さなかった」とし、イスタンブール平和交渉に関心を表明し続けていることに一抹の希望を持っていると述べた。
ネーハマー首相はまた、プーチン大統領との首脳会談後、EUのウルズラ・フォンデアライエン執行委員長およびドイツのオラフ・ショルツ首相と電話で会談したと述べ、二人に、ロシアの侵略行為に欧州がいかに怒っているのかを直接伝えるためには、このような会談がもっと必要だという考えを伝えたと語った。
彼はこれに先立ち、首相室が出した声明で、「プーチン大統領との対話は、非常に直接的かつ率直で難しかった」と述べ、「これは友好的な会談ではなかった」と明らかにした。ネーハマー首相は、今回のモスクワ訪問に先立つ9日、ウクライナのキーウ(キエフ)を訪問し、ゼレンスキー大統領と会談した。首相室報道官は、今回の会談が約75分間行われたと伝えた。
この会談について、クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官はインテルファクス通信に、両首脳がこの日午後、モスクワ郊外の大統領官邸「ノボオガリョボ」で会ったと述べ、「主な議題はウクライナ周辺情勢」だと説明した。今回の会談は、オーストリアの要請により公開での写真撮影や共同声明の発表もなく、非公開で行われた。