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ドネツク州知事「マリウポリの病院で患者や医療陣約400人がロシア軍の人質に」

登録:2022-03-17 05:47 修正:2022-03-17 07:28
ドネツク州のパウロ・キリレンコ州知事「ロシア軍、病院周辺の住民を監禁」 
「民間人40万人孤立」13日目のマリウポリ、救援物資の支援届かず 
キエフ、戦闘激化に備え35時間通行禁止へ…国外に避難したウクライナ人、300万人以上
ロシア軍の封鎖で住民たちが今月15日(現地時間)で孤立13日目を迎えるウクライナのマリウポリの街に遺体が放置されている=マリウポリ/AP・聯合ニュース

 ウクライナを侵攻したロシア軍が、南東部の都市マリウポリのある病院で、医療スタッフと患者など約400人を人質に取っているという主張が提起された。今月15日(現地時間)で約40万人の民間人が水や食料もなく孤立13日目を迎えるこの都市から一部住民が脱出に成功したが、救援物資の供給が依然として封鎖されたまま、戦闘が続いている。

 マリウポリがあるドネツク州のパウロ・キリレンコ州知事は同日、フェイスブックへの書き込みで、マリウポリ都市郊外にある集中治療専門病院に約400人が監禁されていると主張した。キリレンコ州知事は病院関係者の話として「ロシア軍は病院周辺住民など400人を病院に移動させた後、出られなくしている」と伝えた。また、「同病院はほとんど破壊され、医療スタッフが地下室で治療を続けている」と付け加えたと、BBCが報じた。

 40万人近い民間人が依然として孤立しているマリウポリの状況はあまり改善していない。15日一日で住民2万人余りが4千台余りの車で都市を脱出した。しかし、バスなどによる大規模な脱出と外部から食糧などを運ぶ救護車両の通行は依然として不可能だと、同放送は報道した。これまでマリウポリでは2400人余りの民間人が死亡し、市民が13日間電気や暖房、水道が止まった状態で孤立している。

 首都キエフ(現地読みキーウ)では、民間人居住地域の数カ所が爆撃を受けて以来、同日午後8時から35時間、通行禁止措置が取られた。キエフ市のビタリ・クリチコ市長は「市郊外の集合住宅の数カ所が爆撃を受け、少なくとも2人が死亡した」とし、通行禁止を発表したと、ロイター通信が報じた。

 首都キエフをめぐる戦闘が長く続き、生活必需品の不足も目立っている。BBCは多くの商店が営業しているが、徐々に物が不足しており、そのため都市のあちこちに救護品補給所が設けられたと報道した。救護品補給所ではボランティアが住民に届ける食用油やラード、チョコレートなど各種食品を包装している。

 北東部の交戦地域であるスミでも数千人の住民が、ロシア軍が開いた「人道回廊」を通じて都市を抜け出したと、国際赤十字委員会が明らかにした。ウクライナ政府はこの一日でマリウポリなど主要交戦地域から脱出した住民が2万9千人以上と発表した一方、ロシアは自国軍人が3万6千人以上の民間人を脱出させたと主張した。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、ロシア侵攻から15日までにウクライナを脱出した避難民が300万人を超えたと明らかにした。UNHCRによると、このうち180万人は現在ポーランドに滞在しており、およそ30万人は西欧諸国に移動したという。

 ロシア軍が掌握した南部の港町ヘルソンでは、ナイジェリアなどアフリカの学生100人余りが足止めされたままナイジェリア政府に救助を要請していると、BBCが報じた。そのうち一人は、ロシア軍が都市を占領した後、2週間も地下の待避所に留まっており、患者も発生したと状況を伝えた。

シン・ギソプ先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1035027.html韓国語原文入力:2022-03-17 02:33
訳H.J

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