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ウクライナ大統領夫人ゼレンスカさんの叫び…「殺された子どもたちの名を叫ぶ」

登録:2022-03-10 02:23 修正:2022-03-10 08:09
9日、ツイッター通じて世界のメディアに公開書簡 
「民間人に対する戦争ではないって? これは虐殺」 
「『侵略者』プーチンは私たちの愛国心を過小評価」
9日、ウクライナ議会の公式ツイッターアカウントにアップされた大統領夫人オレナ・ゼレンスカさんの公開書簡=ツイッターより//ハンギョレ新聞社

 「ロシアが『民間人に対する戦争ではない』と言うとき、私は殺害された子どもたちの名をまず叫びます」

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の配偶者オレナ・ゼレンスカさんが9日、世界のメディアに宛てた公開書簡を発表した。ゼレンスカさんは「ロシアは(ウクライナ侵攻のことを)『特殊作戦』と呼んでいるが、実際のところ、これはウクライナの民間人の大量虐殺」とし「今回の侵攻で最も恐ろしく破壊的なのは子どもの死傷者たち」と訴えた。ゼレンスカさんは続いて「アフトゥイルカの路上で死んだ8歳のアリス。両親と共に砲撃で死んだキエフ(現地読みキーウ)のポリーナ。14歳のアルセニはがれきが頭に当たり、ひどい火災で救急車が間に合わなかったため、救えなかった」とし、ロシアの攻撃で亡くなった子どもたちの名を一人ひとり列記した。

 続けて、現在ウクライナの女性と子どもたちがどのような状況に置かれているのかも具体的に明らかにした。「私たち女性と子どもたちは今、防空壕や地下室で暮らしている」、「みなさんはキエフとハルキウの地下鉄の駅の写真をすでに見ているだろうが、そこで人々は子どもたちやペットと一緒に床に寝ている。閉じ込められている」と述べた。また、「一部の都市で(ロシアが)民間インフラに対し、無差別かつ故意に爆撃や砲撃を加えているため、それらの家族は何日も連続で防空壕から出ることができていない」と述べた。また「戦争の中で生まれた赤ちゃんは(生まれた途端)地下室のコンクリートの天井を見ることになり、初めて吸い込むのは地下室のよどんだ空気だ。この赤ちゃんたちは閉じ込められ、脅かされている共同体に歓迎された。今この瞬間、人生で一度も平和を味わったことのない子どもたちが数十人いる」と語った。

 ウクライナ市民は戦火の中で病院治療もきちんと受けられていない、とも指摘した。ゼレンスカさんは「ある人々は集中治療や継続的な治療が必要だが、今は(治療が)受けられない」とし「地下室でのインスリン注射は容易だろうか? 火災のひどい場所でぜんそくの治療薬を得るのは? 絶対に必要とされる抗がん治療や放射線治療が無期限延期になった何千人ものがん患者は言うまでもない」と述べた。そして「高齢者、重症患者、障害者を含む多くの人々が家族から切り離され、何の支援も受けられずにいる。このような罪のない人々に対する戦争は二重の犯罪だ」と指摘した。

 ゼレンスカさんはロシアを批判しつつ、「侵略者プーチンはウクライナで電撃戦(blitzkrieg)を展開するつもりだったのだろうが、彼は我が国、我が国民、そして彼らの愛国心を過小評価した。ウクライナ人は政治的見解、母語、信念、国籍にかかわらず比類なき団結を保っている」と述べた。

プシェミシル/ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1034166.html韓国語原文入力:2022-03-09 15:05
訳D.K

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