日本の岸田文雄首相は24日、ロシアがウクライナで軍事作戦を始めたことについて「強く非難する」とし、「米国をはじめとする国際社会と連携して迅速に対処していく」と述べた。米国などがロシアに対して追加制裁を予告しており、日本も参加するという意味とみられる。
岸田首相は同日午後、国家安全保障会議(NSC)を開いた後、記者団に「ロシアの侵攻は力による一方的な現状変更を認めないという国際秩序の根幹を揺るがすもの」だとし、このように述べた。日本政府は、首相官邸危機管理センター官邸連絡室を対策室に格上げし、ウクライナ対応に乗り出している。
日本は、同じ東アジアの韓国と違い、ウクライナ事態に積極的に対処している。ロシアが23日、ウクライナ東部ドンバス地方の親ロシア派武装勢力が実行支配している2つの地域を独立国家と認めたことを受け、米国、欧州国家などと共に素早く制裁に乗り出した。日本政府はロシアの措置について、「ウクライナの主権と領土の一体性を侵害し、国際法に違反する。決して認められない」と強く批判した。一方、韓国政府は同日、ロシアの侵攻が始まると、「全面戦に踏み切った場合、ロシアに対する輸出統制など制裁に加わるしかない」と明らかにした。
日本が積極的に動いているのは、先進7カ国の一員という国家的地位だけでなく、ウクライナ事態が自国の外交・安全保障に及ぼす影響が大きいと判断しているからだ。日本経済新聞は「日本政府にとっても(ウクライナ問題は)対岸の火事ではない」とし、「力による一方的な現状変更への意欲を隠さない中国がロシアと連動して動く可能性を警戒する」と報じた。同紙はまた「覇権主義を鮮明にする中国に誤ったメッセージを与える懸念がある」とも報道した。日本は、米中戦略対立の最前線である台湾海峡と日中間の領土紛争地域である尖閣列島(中国名・釣魚島)を念頭に置いている。
こうした力の関係を意識したように、ウクライナのトミトロ・クルバ外相は23日、米国ニューヨークで開かれた国連総会で記者団に対し「基本的な原則が欧州で守られなければ、世界のほかの地域でも守られなくなる」と強調した。これに先立ち、日本の林芳正外相も19日、ドイツのミュンヘンで開かれた先進7カ国外相会議で、ウクライナ事態について「欧州の安全保障の問題にとどまるものではない」と強調した。
ロシアを相手にした米国の対応も日本にとって重要な地点だ。朝日新聞は「米国がウクライナ侵攻阻止に及び腰だと、中国が米国の影響力低下をみて、台湾への視線を変化させかねない」と指摘した。