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岸田首相、国会での施政方針演説で「新時代のリアリズム外交」表明

登録:2022-01-18 09:44 修正:2022-01-18 10:57
「未来に向かいつつ現実を直視する外交」 
韓国は「適切な対応を強く求める」…従来の立場を繰り返す 
「敵基地攻撃能力」を再び強調
岸田文夫首相が17日に召集された通常国会で施政方針演説を行っている=東京/AP・聯合ニュース

 日本の岸田文雄首相が国政運営の方向性を明らかにする国会での施政方針演説で、現実を直視する「新時代リアリズム外交」を展開すると明らかにした。韓日関係については「重要な隣国である韓国に対しては、日本の一貫した立場に基づき適切な対応を強く求める」という従来の立場を繰り返した。

 岸田首相は17日に召集された通常国会での施政方針演説で、外交・安全保障分野に関し「厳しさと複雑さを増す国際情勢の中で、日本外交のしたたかさが試される一年になる」と強調した。そのうえで「未来への理想の旗をしっかりと掲げつつ、現実を直視し、『新時代リアリズム外交』を展開する」と述べた。そして、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値▽気候変動などの地球規模の課題▽国民の命と暮らしを守り抜く取組の3つの柱が重要だと説明した。

 岸田首相は「第一の柱として、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値や原則を重視していく」と明らかにした。これを共有する「米国のバイデン大統領とは早期に会談し、我が国の外交・安全保障の基軸である日米同盟の抑止力・対処力を一層強化する」と述べた。バイデン大統領と岸田首相は今月21日(現地時間)、オンラインで首脳会談を行う。

 また、もう一つの柱である国民の命と暮らしを強調し、事実上北朝鮮と中国に向けて語った。岸田首相はこの日「北朝鮮が繰り返す弾道ミサイルの発射は断じて許されず、ミサイル技術の著しい向上を見過ごすことはできない」と指摘し、「こうしたミサイルの問題や、一方的な現状変更の試みの深刻化、軍事バランスの急速な変化、宇宙、サイバーといった新しい領域や経済安全保障上の課題などの現実から目を背けることなく守り抜く」と述べた。

 岸田首相が「新時代リアリズム外交」というスローガンを国会で表明したのは今回が初めて。岸田首相は先月22日、読売国際経済懇話会(YIES)の講演でこの言葉を初めて取り上げ、今月1日の年頭所感で再び言及している。

 北朝鮮や中国などの周辺国のミサイル基地などを日本が直接攻撃する「敵基地攻撃能力」の保有は、先月6日の施政演説に続き今回もまた強調された。岸田首相は「概ね1年をかけて、新たな国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画を策定する」と明らかにした。この過程で「いわゆる『敵基地攻撃能力』を含め、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討する」と述べた。

 懸案がある韓国、中国などの隣国に対しては、先月の施政演説とほぼ同じ水準で言及した。韓国に対しては「重要な隣国である韓国に対しては、我が国の一貫した立場に基づき適切な対応を強く求める」という一文でまとめた。昨年10月の就任演説に含まれていた「健全な関係に戻すため」という表現は、先月の施政演説の時から外された。

 中国に対しては「対話」という表現が再び登場した。岸田首相は「中国には主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めていく。同時に、諸懸案も含めて、対話をしっかりと重ね、共通の課題については協力していきたい」と述べた。さらに「本年が日中国交正常化50周年であることも念頭に、建設的かつ安定的な関係の構築を目指す」と述べた。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1027673.html韓国語原文入力:2022-01-18 02:33
訳C.M

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