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WHO「オミクロン株、前例のないスピードで世界に広がった可能性高い」

登録:2021-12-16 01:56 修正:2021-12-16 06:54
「感染者の増加だけで医療システムに負担」と警告 
英国は「すでにかなり広がっている」とし、国境の統制を緩和 
逆にイタリアは入国者規制を強化
英国政府が「オミクロン株の感染拡大防止に国境統制はあまり効果がない」とし、アフリカ諸国からの入国者に対する制限の解除方針を発表した今月14日(現地時間)、マンチェスターのあるワクチン接種所に軍人たちが配置されている=マンチェスター/AFP・聯合ニュース

 世界保健機関(WHO)が14日(現地時間)、「新型コロナウイルスの新変異株『オミクロン』が前例のないスピードで広がっており、ほとんどの国に広がった可能性がある」と警告した。

 WHOのテドロス・アダノム事務局長は同日のオンライン記者会見で、「オミクロン株が以前の他の変異株では見られなかったスピードで拡散している」とし、「オミクロン株への感染がこれまで77カ国で報告された。まだ見つかっていなくても、おそらくほとんどの国ですでに存在しているだろう」と予想した。さらに「オミクロン株の症状が軽いといって、(あまり脅威ではないと)みなしてはならない」とし、「比較的あまり深刻な症状を誘発しなくても、感染者数(の増加)だけで医療体制を再び逼迫する可能性がある」と警告した。

 WHOのマイク・ライアン緊急対応チーム長は、新型コロナワクチンが依然として重症化と死亡を予防する効果を発揮していると強調した。さらに、オミクロン株の感染拡大傾向のピークはこれから数週間後になる可能性があると付け加えた。

 WHOが同日懸念を示したのは、オミクロン株の感染拡大で、世界の多くの国がワクチンの追加接種(ブースターショット)に乗り出し、「ワクチンの買い占め」が発生する可能性についてだった。テドロス事務局長は「最も保護が必要な人がワクチンを接種できてこそ、ワクチンの追加接種が新型コロナの感染拡大防止の役割を果たせるだろう」とし、「問題は優先順位」だと指摘した。

 一方、英国はオミクロン株がすでに急速に広がっており、これ以上国境を統制する意味がないとして、アフリカ諸国に対する入国制限を解除することにしたと、BBCなどが同日付で報じた。英国政府は15日午前4時から南アフリカ共和国やナイジェリアなどアフリカの11カ国を「レッドリスト国」から除外した。レッドリスト国に指定された国から英国に入国する人は、政府指定のホテルで10日間隔離しなければならない。英国のサジド・ジャヴィド保健相は「オミクロン株が英国の地域社会で広がっており、世界的にも拡散しているため、入国制限は効果的ではない」と述べた。英国内のオミクロン株の感染者は14日現在5346人。

 一方、イタリアは国境統制を強化した。イタリア政府は14日、新型コロナ非常事態宣言を来年3月末まで延長し、事前にウイルス検査を要求する対象を全欧州連合(EU)加盟国出身の入国者に拡大したと、ロイター通信が報道した。イタリアはこれまで、南アフリカなど一部国家に限定し、入国前の48時間以内にウイルス検査を行い、陰性証明書を示すことを求めてきた。その対象を16日から来年1月末までEUの全加盟国に拡大したのだ。

 イタリアではこの日一日2万677人の新規感染者が発生するなど、ここのところ感染者が急増している。これまでイタリアで確認されたオミクロン株の感染者は27人。

シン・ギソプ先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1023408.html韓国語原文入力:2021-12-15 15:55
訳H.J

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