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ファイザー社の新型コロナ飲み薬、入院・死亡リスクを89%低減

登録:2021-12-16 01:54 修正:2021-12-16 07:33
高危険群2250人対象の臨床試験の最終結果 
メルク社の治療約よりはるかに高い効果 
一般向け効果は7割程度に低下
ファイザー社の新型コロナ経口治療薬として開発している「パクスロビド」の製造工場=フライブルク/AFP・聯合ニュース

 米製薬会社ファイザーが14日(現地時間)、自社の新型コロナウイルス感染症の経口治療薬が入院と死亡のリスクを89%減らすという臨床試験結果を発表したと、AP通信などが報じた。

 ファイザーは自社が開発している「パクスロビド」に対する臨床試験を高危険群2250人を対象に実施した結果、入院と死亡を防ぐ効果が90%に近かったと発表した。症状が現れてから3日以内に同薬を服用すれば、入院と死亡のリスクを89%、5日以内に飲むとリスクを88%減らすことが分かったとファイザーは説明した。このような結果は、先月1200人を対象にした中間発表とほぼ同じ数値だ。パクスロビドは新型コロナの症状が現れた初期に5日間12時間ごとに服用する錠剤型の治療薬だ。

 ファイザーは、臨床試験期間中、パクスロビドの服用者は誰も死亡しなかったが、比較のために偽の薬を投与した人のうち12人が死亡したと伝えた。

 ファイザーのミカエル・ドルスティン最高医学責任者は「今回の結果は驚くべきもの」だとし、「この薬を感染者に早く投与すればウイルスの拡散を劇的に減らすことができる」と述べた。また、米食品医薬品局(FDA)が同薬の高危険群に対する使用を近日中に承認すると予想した。さらに「欧州や英国の規制機関とも進展した議論を進めている」と付け加えた。

 しかし、一般を対象とした臨床試験の結果は、高危険群には及ばないことがわかった。ファイザーは若者やワクチン接種者など673人の成人を対象に実施した別途の臨床試験では、入院と死亡のリスクが70%減ることが分かり、症状が緩和する効果はなかったと明らかにした。同社は1100人を対象にした試験資料が全て出そろってから、最終的な試験結果を発表する予定だ。

 二つの試験結果をみると、パクスロビドは重症化リスクが高い人のための治療薬として主に使われる可能性が高いと、ブルームバーグ通信が指摘した。

 一方、メルク社が開発している新型コロナ経口治療薬「モルヌピラビル」は、高危険群に対して入院と死亡のリスクを30%減らすことが臨床試験で明らかになった。

シン・ギソプ先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1023424.html韓国語原文入力:2021-12-15 15:55
訳H.J

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