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国連北朝鮮人権状況特別報告者「北朝鮮の食糧危機深刻…制裁緩和すべき」

登録:2021-10-08 06:05 修正:2021-10-08 06:59
22日の国連総会に提出する報告書で明らかに 
「子どもと高齢者が飢餓の危機に直面」
北朝鮮の平壌にあるデパートで、保健要員たちが防疫活動を行っている。国連の北朝鮮人権状況特別報告者は、北朝鮮の食糧危機が深刻化しているとし、北朝鮮に対する制裁緩和を求めた=平壌/AP・聯合ニュース

 国連の北朝鮮人権状況特別報告者が、コロナ禍以降、北朝鮮が国際社会と断絶し食糧危機に直面しているとし、国連の制裁緩和を求めた。ロイター通信が7日(現地時間)付で報じた。

 同通信は、トーマス・オヘア・キンタナ北朝鮮人権状況特別報告者が22日に国連総会に提出する報告書を事前に入手したとし、報告書は北朝鮮の状況が深刻な段階に陥る中、国際社会が北朝鮮住民の困難に次第に無関心になっていることについて懸念を示したと報道した。

 キンタナ氏は報告書で「人道主義支援を促進し、北朝鮮の一般市民が適切な生活水準を享受する権利を向上させるため、必要であれば国連安保理による北朝鮮制裁の見直しと緩和を進めるべきだ」と主張した。さらに「北朝鮮住民の食糧確保問題が深刻に懸念される」とし、「特に、子どもと高齢者が飢餓の危機に直面している」と説明した。

 また、中国との貿易がほとんど途絶え、基本的な医薬品と医療装備が不足しているとし、救護機関が医薬品を北朝鮮に供給することも不可能な状況だと伝えた。キンタナ氏は「現在のこうした状況は深刻な危機に進む可能性があり、それは必ず防がなければならない」と強調した。また、朝鮮半島の軍事的な緊張緩和を促す一方、米国と韓国に対し、北朝鮮の非核化に向けた外交努力を再開するという「明確なシグナルを送るべきだ」と付け加えた。

 ロイター通信の報道によると、北朝鮮はキンタナ特別報告者を認めておらず、彼の活動に協力もしていないという。

 一方、同通信は、北朝鮮は昨年自然災害などで食糧状況が深刻であることは認めているが、北朝鮮児童の栄養失調に関する4月の国連報告書は「完全な嘘だ」と反論したと付け加えた。

シン・ギソプ先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1014344.html韓国語原文入力:2021-10-07 20:15
訳H.J

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