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前CIA高官「米国、北京五輪で南北中の出会いを望まない」

登録:2021-10-07 06:47 修正:2021-10-07 07:41
アンドリュー・キム前CIAコリア・ミッションセンター長 
ワシントン・タイムズ財団主催のセミナーで 

五輪を南北対話の契機にしようとする韓国政府構想に懸念示し 
「北朝鮮がローキーを維持するのは米国との交渉を望んでいるという意味」 
「北朝鮮、米国に『行動対行動』だけではなく 
核・ミサイル実験の猶予に対する正当な評価も望むだろう」 
アンドリュー・キム前米中央情報局(CIA)コリア・ミッションセンター長が今月5日(現地時間)、ワシントン・タイムズ財団主催のオンラインセミナーで発言している=同セミナー映像よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 2018年に「朝鮮半島平和プロセス」が始まる際、重要な役割を果たしたアンドリュー・キム前米中央情報局(CIA)コリア・ミッションセンター長が、来年2月の北京冬季五輪で南北中3カ国の首脳が会う案を米国は望まないだろうと述べた。

 キム前センター長は5日(現地時間)、ワシントン・タイムズ財団が主催したオンラインセミナーで、「米国が最も見たくない場面は、五輪期間中に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が北京を訪問し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領も同時期にそこを訪れ、習近平中国国家主席の仲介で3人の首脳が会うこと」だと述べた。キム前センター長は、ドナルド・トランプ政権初期に新設された中央情報局コリア・ミッションセンターの初代センター長を務め、2018年6月の初のシンガポール首脳会談など、朝米交渉の舞台裏で重要な役割を果たした。特に、マイク・ポンペオ国務長官(1回目の訪朝当時はCIA長官)の4回の訪朝に同行し、金委員長と米当局間の疎通を助けた。

 キム前センター長の発言は、北京五輪を通じて南北対話と朝鮮半島平和プロセスの再開に決定的な契機を作ろうとする韓国政府の構想を、ジョー・バイデン政権が快く思っていないという意味だ。熾烈な米中戦略競争の構図の中で、習主席が朝鮮半島平和問題の仲裁役を務める姿を、米国が歓迎しないという意味ともいえる。キム前センター長は最近の北朝鮮の相次ぐ軍事的行動については「米国に全面的な挑発を仕掛ける代わり、依然としてローキー(控えめな姿勢)を維持している」とし、「これは彼らが依然として米国と今後も一種の交渉を続けることを希望するという意味」だと指摘した。また、北朝鮮は、自分たちが韓国政治に影響力を持っていると信じているため、今後数カ月間は韓国国内政治に焦点を合わせるだろうと見通した。

 キム前センター長はまた、「北朝鮮が米国に正確に何を望んでいるのかは分からない」としながらも、行動対行動のアプローチや核と大陸間弾道ミサイル実験の猶予に対する評価などを挙げた。北朝鮮が、自分たちが取る非核化措置とそれに対する米国の相応措置の段階的かつ具体的なロードマップを望んでいるということだ。キム前センター長は2017年末以降、北朝鮮が核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を猶予していることについて「私は北朝鮮のカウンターパートから『米国は我々が行ったことについて正当に評価してくれなかった』という話を何回も聞いた」とし、「北朝鮮はおそらく『我々はどんな条件もなしに(交渉テーブルに)つく用意ができている』という、一種の公式声明を待っているのだろう」と述べた。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1014070.html韓国語原文入力:2021-10-07 02:30
訳H.J

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