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東京五輪のもう一つの恐怖「猛暑」…ジョコビッチ「試合時間を遅らせてほしい」

登録:2021-07-26 02:52 修正:2021-07-26 08:00
競技場で失神した選手も 
高温多湿で体感温度も38~39度に迫る 
熱中症の疑いで病院に運ばれた東京の市民、7月に540人
東京五輪で「ゴールデンスラム」を狙うテニス世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ氏が24日、試合中に汗をぬぐっている=東京/AP・聯合ニュース

 五輪が開かれている東京の猛暑は、選手たちにとっては新型コロナウイルスと並ぶ恐怖の対象として浮かび上がっている。体感温度が38~39度に達するうえ、島国特有の暑く湿気の多い気候が続いていることで、競技場で選手が倒れるなどの直接的な影響が出ている。

 東京新聞は25日、東京消防庁管内で今月1日から18日までに熱中症の疑いで病院に運ばれた人は540人に達すると報道した。すでに昨年7月の1カ月間の移送患者数(393人)を上回っている。それほど東京の猛暑は深刻だということだ。

 五輪に参加している選手たちは苦痛を訴えている。東京五輪で「ゴールデンスラム」を狙うテニス世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチは24日、初の競技を行った後、「とても暑くて湿度が高い」とし、競技時間を夕方以降にずらすことを求めたとNHKが報じた。同日の気温は33度まで上がり、風もあまりなかったという。世界ランキング2位のダニール・メドベージェフも、厳しい暑さと湿度で「最悪の環境」と述べ、選手を保護するために試合時間を変更する必要があると指摘した。

 暑さのために気を失った選手も発生した。23日午前には夢の島公園アーチェリー場で、ロシアの女子選手スベトラーナ・ゴンボエワ(23)が一時意識を失って倒れた。その日の東京は33度で、体感温度は38度に達していた。ゴンボエワは世界ランキング13位の選手だが、同日の競技では64人中45位にとどまった。

 米国CNNは、東京五輪は史上「最も暑い五輪」になるだろうと予想した。国際オリンピック委員会(IOC)の関係者は経済専門誌「フォーブス」(日本版)とのインタビューで「暑さをめぐる懸念はたいへん真剣に受け止めている」とし、気温が選手たちに与える影響を軽減するため対策を講じていると述べた。スポーツと熱中症に精通する横浜国立大学の田中英登教授は産経新聞とのインタビューで、「高温多湿の状況が続けば、熱中症警戒アラートが出なくても、選手には危険な環境になり得る」と警告した。

キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1004991.html韓国語原文入力:2021-07-25 13:26
訳D.K

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