「ワクチンは必要ないと考えた。重大な失敗だ」
連日数百人の感染者が発生し、世界最高の防疫模範国の地位を失った台湾で反省の声が相次いでいる。
13日、香港の「サウスチャイナ・モーニングポスト」は、台湾国家衛生研究院の蘇益仁・前伝染病研究所長が「今年初めまで台湾の新型コロナ統制はきわめて効果的であったため、私たちはワクチンが必要ないとか、より良いワクチンを待つ時間が多く持てると考えた」として「それは重大な失敗だった」と話したと伝えた。
台湾は、先月中旬まで新型コロナの累積感染者数が1500人余りに過ぎなかったが、その後急増し始め、この日ジョーンズホプキンス大学による統計基準で1万2900人余に達する。
現在、政府に諮問するシンクタンクである国民健康研究所フォーラムを率いる蘇前所長は、「中央伝染病指揮センターが前もって計画を立てなかったことが致命的失敗だった」として、台湾のワクチンの注文が他国より4~5カ月遅れたと話した。
台湾は、今月初めに日本と米国がワクチン200万回分を支援する以前に確保したワクチンは87万回分に過ぎなかった。これは台湾の人口(2385万人)の3.6%が接種できる量だ。
台湾の指導者である蔡英文総統も11日、生中継された談話を通じて「新型コロナに感染し、さらには命を失った国民は、すべて台湾という大家族の一員」とし、「最も痛切な思いと謝罪を表わす」と話した。台湾の「中央通信」は、ワクチン確保とワクチン接種の遅延、新型コロナ拡散初期の大規模検査未実施などに対する批判世論が高まる中で今回の謝罪談話が出されたと伝えた。
蔡総統は「政府は一切の努力を尽くして新型コロナを統制し、皆が元気で平安な日常生活に戻れるようにする」と話した。
台湾は一歩遅れてワクチンの確保と自国ワクチンの開発を急いでいる。台湾メディアは、台湾の医薬企業メディゲン・ワクチン・ バイオロジクスが開発した新型コロナワクチン候補物質が臨床第2相で当局の安全および効能基準を満たしたとし、早ければ7月にも緊急使用承認を受けるとみられると伝えた。蔡総統も「7月から国産ワクチン配布を始める」と明らかにしている。