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当選8回の自民党議員も原発汚染水の海洋放出に反対「タンクに保管すべき」

登録:2021-05-01 06:16 修正:2021-05-03 14:31
「原発推進派」の山本拓議員が問題提起 
「新たな汚染水の発生を防ぎ、タンクに保管すべき 
原発建屋内への地下水の流入を防ぐ止水工事が得策」 
山本拓衆議院議員(自民党)=フェイスブックよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 日本政府が、福島第一原発の敷地に保存されている汚染水の海洋放出を決めたことに対し、与党の自民党内でも懸念の声があがっている。衆議院で8期を務める山本拓自民党議員は、自身のホームページを通じて、福島原発汚染水の海洋放出に関する問題を提起している。

 30日、山本議員のホームページによると、山本議員は「福島原発汚染水」という項目を設け、昨年9月から書き込みを続けている。山本議員は「福島汚染水にはさまざまな種類の放射性物質がある」とし、「海洋放出された際、環境にいかなる影響を及ぼすか、きちんと把握されておらず、危険だ」と主張した。放射性物質の規制基準も人体に与える影響に基づいたもので、環境や海の生態系にどのような悪影響があるか確かでないと強調した。

 山本議員は、汚染水の放射性物質を基準値以下に下げてから海洋放出するという東電の発表について、安心できないとし、総量について考えるべきだと指摘した。また放射性物質を取り除く多核種除去設備(ALPS)の性能についても検証が必要だと主張した。「東京電力は汚染水の二次処理後には放射性物質の濃度が基準値以下に下がったと発表したが、まだ少量の水でテストしたレベル」だとし、「長期間維持できるかについて、検証が必要」と述べた。

 山本議員は、汚染水を海に放出しないのが最も良い方法だと強調した。2年の時間があるだけに、新たな汚染水の発生を防ぎ、現在のようにタンクに保管する方法で進めるべきだという考えだ。今でも、事故で溶けだした核燃料の冷却水に雨水と地下水が染み込み、汚染水が発生し続けている。事故直後、1日に約470トン発生していた汚染水は地下水の流入を減らしたことで140トンにまで下がった。山本議員は「地下水などが原発建屋内に入らないよう、止水工事を前倒しして実施すべき」だとし「専門家も同様の指摘をしている。(止水工事を実施すれば)さらにタンクを増やす必要もなく、2年後に海洋放出をする理由もなくなる」と強調した。

 山本議員は、来月13日に国会で、経済産業省や東京電力の担当者、専門家などを招き、福島原発汚染水に関する会合を開く予定だ。山本議員は最近「日刊ゲンダイ」のインタビューで「自分は原発推進派だ。菅義偉首相も支持している」としたうえで、「ただし、原発処理水に関する報道は、事実と異なることが多い。ALPS処理水と、通常の原発排水は、まったく違うものだ。処理水に含まれるのは“事故由来の核種”」だとし、汚染水の海洋放出に懸念を示した。

キム・ソヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/993363.html韓国語原文入力:2021-04-30 14:02
訳H.J

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