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性別格差で劣等生の韓国、男女平等は優等生?

登録:2021-03-08 02:58 修正:2021-03-08 17:53
[世界の主要機関が発表する指数はまちまち] 
国連開発計画の発表ではアジア最高 
世界経済フォーラムでは108位で下位圏 
指標計算方法の違いのため 
賃金格差や政治権限ではまだまだ
OECDの調査による各国の男女の賃金中央値の差//ハンギョレ新聞社

韓国の性平等は、世界的に見るとどのあたりに位置しているのだろうか。世界の主な機関が発表するジェンダーに関する指数は、参考にすることはできるが、絶対的な基準と考えるには無理がある。各国のジェンダーに関する統計は完全ではなく、それを反映する方法によって順位が大きく揺れ動くからだ。

 それを示す代表的な例が、国連開発計画(UNDP)のジェンダー不平等指数(GII)と世界経済フォーラム(WEF)のジェンダー・ギャップ指数(GGI)に表れた韓国の順位の差だ。昨年発表されたGIIによると、韓国は189カ国中11位(0.064)で、アジア最高の優等生だが、GGIは153カ国中108位で下位圏だ。結果が大きく異なるのは、指数を構成する要素と計算方式が違うためだ。

 GIIにおいて韓国は、絶対値として反映される指標である母性死亡比が11人、青少年出産率(15~19歳の女性の人口1000人当たりの出産数)は1.4人と比較的よい指数なため、順位を上げる要因となっている。韓国政府もGIIについて「経済活動領域の指標が限定的なため、性平等水準を十分に表せていないという限界がある」とし「男女の賃金格差、労働市場における職種隔離および男女間の時間使用の差、家庭内暴力などの領域が除外されている」と指摘している。

 一方GGIは、男女の格差を相対評価して計算する。経済活動参加率、識字率、教育率、出生性比、期待寿命、国会議員および政府閣僚の割合の男女格差を指標として用いて算出する。男女の格差であるため、男女ともに絶対的な数値が低くても、格差が相対的に小さければ点数が高くなり得る。韓国と日本は、国会議員および閣僚の割合などが基となる政治的権限指標で、調査対象153カ国中、韓国が79位、日本が144位と下位圏となっている。

 経済的な部分では、経済協力開発機構(OECD)が男女の賃金の中央値の格差を用いて発表する男女の賃金格差の順位が注目に値する。韓国は、調査対象28カ国のうち最下位だった。この統計も、各国の賃金水準の調査基準となる年度が少しずつ違うため、完璧な調査とは言えない。ただし、韓国は保健と教育の絶対的な環境は改善されているものの、職場における男女格差は依然として大きいということには注目すべきだ。

チョ・ギウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/985776.html韓国語原文入力:2021-03-07 19:05
訳D.K

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