韓国の化学物質運搬船「韓国ケミ号」を拿捕したイランが、「韓国政府が70億ドルを人質に取っている」と主張した。
イラン政府のアリ・ラビエイ報道官は5日(現地時間)、インターネットで生中継された記者会見を通じ、韓国船舶の拿捕はイランの人質劇という主張を一蹴したとロイター通信が伝えた。ラビエイ報道官は「イランの資金70億ドルを人質として取っているのは韓国」だとしながら、「我々はそのような主張に慣れているが、もし人質劇が存在するとすれば、それは我々の資金70億ドルを根拠なしに凍結した韓国政府だろう」と主張した。米国が2019年9月にイランを特別指定国際テロ組織(SDGT)に指定したことで韓国に凍結されている約70億ドルの原油決済代金に言及したのだ。
これに先立ち、イラン革命防衛隊は4日、湾岸海域で「韓国ケミ号」(1万7426トン級)を拿捕した。イランが国際社会の懸念のなかでウラン濃縮の濃度を20%にまで引き上げる作業を再開した日に韓国の船舶を拿捕し、イランの意図をめぐり様々な見方が出ている。韓国政府は5日、サイード・バタムチ・シャベスタリ駐韓イラン大使を招致し抗議する一方、船舶と船員の早急な抑留解除を要求した。