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イラン、ウラン濃縮20%に引き上げ再開の日に韓国タンカー拿捕

登録:2021-01-05 05:39 修正:2021-01-05 06:59
UAEに向かう途中、革命防衛隊に 
「海洋環境法違反」が理由 
外交部「抑留20人のうち韓国人は5人」
今月4日(現地時間)、イラン革命防衛隊に拿捕された韓国のタンカーが湾岸海域で撮影された様子=ペルシャ湾/ロイター・聯合ニュース

 イランがウラン濃縮度を20%に引き上げる作業を再開した日、イラン革命防衛隊が韓国船籍のタンカーを拿捕した。

 イラン革命防衛隊は4日(現地時間)、公式メディア「セパニュース」で「今朝、湾岸海域で韓国のタンカー『韓国ケミ』を拿捕した」と発表したと、AFP通信が報じた。革命防衛隊は「当該船舶が海洋環境法を繰り返し違反したことに対する措置」だとし、「今回の事件は司法当局が担当することになる」と明らかにした。さらに「拿捕された船員は韓国、インドネシア、ベトナム、ミャンマー国籍で、韓国ケミ号は(イラン南部の港都市である)バンダルアバスに抑留された」と明らかにした。

 韓国外交部は同日、「(抑留された)船員計20人のうち韓国国民は5人」だとし、「外交部と駐イラン大使館は船員の安全を確認し、船舶の早期抑留解除を要請中」だと発表した。国防部は「清海部隊を直ちにホルムズ海峡近隣海域に出動させた」と明らかにした。

 これに先立ち、外信は同日、サウジアラビアを出発してアラブ首長国連邦のフジャイラに向かっていた韓国国籍のタンカーがイラン領海に進入し、拿捕されたもようだと報じた。AFP通信はこれと関連し、英国海軍・海運情報収集センター(UKMTO)が(韓国)商船1隻とイラン当局間の「相互作用」を認めたと報じた。その結果、当該商船が北方に航路を変更し、イラン領海に進入したという。米海軍第5艦隊報道官のリベカ・リバリック中佐は「状況をモニタリングしている」と述べた。

マリントラフィックサイトに見えるバンダルアバスの位置//ハンギョレ新聞社

 偶然にも、韓国船の拿捕のニュースが報じられる直前、米国との間で緊張感が高まっているイランが、ウラン濃縮度を20%に引き上げる作業を再開したという情報が伝えられた。英紙のガーディアンが二つの事件をまとめて報じており、ロイター通信は米国の対イラン制裁で韓国とイランの輸出入代金決済の通路であるウォン建て決済の取引が中断されたことに言及するなど、外信もまだ確認されていない二つの事件の関連性に注目している。前日の1月3日は、ガセム・ソレイマニ・イラン革命防衛隊ゴドス軍(精鋭軍)司令官ら7人が米軍の空襲で死亡した1周忌でもある。

 イラン政府のアリ・ラビエ報道官は4日、半官営の「メル通信」に「数分前にフォルドゥの濃縮施設で20%濃度のウラン濃縮を再開した」と明らかにした。これに先立ち1日、国際原子力機関(IAEA)は「イランが最近議会で成立した法に基づき、フォルドゥの濃縮施設で最大20%の濃度の低濃縮ウランを生産すると報告した」と発表した。

 イランは20%水準のウラン濃縮に成功したが、2015年に米国など主要6カ国と「イラン核合意(JPOA=包括的共同行動計画)」を締結し、今後15年間でウラン濃縮レベルを3.67%以下に制限することにした。しかし、ドナルド・トランプ政権が2018年の合意国の反対にもかかわらず、核合意から脱退した後、一方的に対イラン制裁を再開したことを受け、イランはウラン濃縮のレベルを4.5%にまで高めた。さらに昨年11月には「イラン核開発の父」と呼ばれる核物理学者モフセン・ファクリザデ氏がイスラエルの標的攻撃によって暗殺された。その直後、イラン議会はウラン濃縮水準を20%に引き上げる作業を再開し、ナタンズとフォルドゥの核施設に新しい遠心分離機を設置できるようにする法案を圧倒的な票差で可決した。

チョン・ジョンユン、キム・ジウン、パク・ビョンス記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/977258.html韓国語原文入力: 2021-01-0502:45
訳H.J

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