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韓日関係に変化の兆し…二階幹事長、生放送で「東京五輪の活用は大変結構なこと」

登録:2020-11-16 06:41 修正:2020-11-16 07:13
菅政権が「対話モード」に入った理由とは
菅義偉首相=東京/AP・聯合ニュース

 日本政府が、強制動員被害者問題に対して韓国政府が解決策を講じるべきだという従来の立場を維持しつつ、やっと始まった対話ムードの維持に積極的に乗り出している。韓日関係改善が16日で発足2カ月目を迎える日本の菅義偉首相には政治的にも外交的にも良い機会になると判断したものと見られる。

 菅首相の側近の二階俊博自民党幹事長は13日夜、日本の民間放送「BSフジ」の生放送番組に出演し、韓日関係の重要性を強調した。二階幹事長は同日、「東京五輪の舞台を、行き詰っている外交の活路を見出すために活用するのは大変結構なこと」だとし、「大いにやるべきと思う」と述べた。これに先立ち、二階幹事長は日本を訪問したパク・チウォン国家情報院長(8日)やキム・ジンピョ韓日議員連盟会長(12日)と相次いで面会した。日本の対韓国輸出規制問題と強制動員被害賠償問題で冷え込んだ昨年8月、二階幹事長は訪日した韓国国会議員団との面会を一度延期した後、取り消した。

 二階幹事長は1998年の「金大中(キム・デジュン)-小渕宣言」のように新たな韓日関係の方向を示すことを目指す、「文在寅(ムン・ジェイン)-菅」共同宣言構想についても、「先輩たちが敷いてくれた路線をうまく活用していかなければならない」と強調した。彼は強制動員問題について特別な解決策を提示しなかったものの、「日本が隣国である韓国と(この問題を)どう解決するのか国際社会が見守っている」とし、「対話で片付けなければならず、国民も理解してくれると思う」と述べた。二階幹事長は菅首相を作った立役者だ。

 韓日関係の改善が東京五輪の注目度を上げ、北朝鮮による日本人拉致問題解決に影響を与えるなら、菅首相には良い機会になるという点も、対話ムードが本格化した理由と見られる。東京新聞は「菅政権が日本人拉致問題の解決を図るうえで、韓国側の助力は欠かせない」と指摘した。

韓日議員連盟会長のキム・ジンピョ共に民主党議員(右から2番目)らが今月13日午後、菅義偉首相に面会するため、東京都千代田区の首相官邸で移動している/聯合ニュース

 発足2カ月を迎えた菅政権の国政状況はあまり良くない。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が続いており、「日本版ブラックリスト」ともいうべき日本学術会議会員6人の任命拒否で内閣支持率が下落し、回復できずにいる。発足直後、60~70%台の高い水準を維持していた菅政権の支持率が最近は50~60%台に落ち込んだ。衆議院解散と選挙の影響もあると見られるが、東京五輪を成功裏に開催できない場合、来年9月に任期が終わる菅首相の再選は不透明だというのが大方の見通しだ。来年7月に予定されている東京五輪はCOVID-19により、規模が大幅に縮小される見通しだ。さらに最近、安倍晋三元首相が徐々に健康を回復して政治的行動を始めており、「首相再出馬」も囁かれるのも、菅首相には負担になっている。

 韓日間に対話ムードが作られたとはいえ、主な争点である強制動員被害者問題の解決策を講じることは容易ではないと見られる。日本政府は、右翼勢力と国民世論の反発を懸念し、慎重に対応している。日本はこれまで、「強制動員問題は、1965年の韓日請求権協定で解決済み」だとして、謝罪や賠償を拒否してきた。国民世論もこのような政府の立場を支持してきた。また、2018年の韓国最高裁判所(大法院)による強制動員被害者賠償判決について、日本国民の70%は「納得できない」と回答している。

 読売新聞は14日づけで、最近、韓国の要人たちの訪日に関し「現実的な解決案を一向に示さなかった」とし、「我々にとってはゼロ回答」という外務省幹部の発言を引用した。同紙は「現状のままなら、(日本政府が)日中韓首脳会議の開催には応じない構え」だと報じた。

キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/970021.html韓国語原文入力:2020-11-15 17:22
訳H.J

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