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ポンペオ「韓国のGSOMIA終了に失望」…韓米関係に飛び火か

登録:2019-08-23 09:44 修正:2019-08-23 12:36
米国務長官「韓日は正しい関係に戻り始めるよう望む」 
国防総省も「強い憂慮と失望感を表明」 
当初の「韓日間の意見の隔たりを解消してほしい」から水位上げ 
米専門家ら「防衛費交渉前に韓米関係が悪化」 
「米国が韓日対話を促進すべき」
マイク・ポンペオ米国務長官が22日(現地時間)、カナダ・オタワの国立芸術センターでカナダのクリスティア・フリーランド外交長官と共同記者会見を行っている//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ米行政府は、韓国が韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を延長しないことにした決定に対して強い失望感を示し、韓日両国が対話で解決することを求めた。米国が公に韓国政府に不満を示したものであり、韓日対立の余波が韓米関係にも悪影響を及ぼす流れだ。

 カナダを訪問したマイク・ポンペオ米国務長官は22日(現地時間)、カナダのクリスティア・フリーランド外交長官との会談後の記者会見で、GSOMIA終了に関する質問を受け、「今朝、韓国のカウンターパートと電話で話した」と、カン・ギョンファ外交長官と対話した事実から紹介した。続いて「韓国が情報共有合意に対して下した決定を見て、われわれは失望した」とし、「われわれは(韓日)両国それぞれが関与と対話を続けることを求める」と述べた。同長官は「カン・ギョンファ長官は昨日日本の外相と会い、この問題を元に戻そうと一緒に努力していた」という言葉も付け加えた。

 ポンペオ長官は「日本と韓国の共同利益が重要だということに疑いの余地はなく、それは米国にとっても重要だ」とし、「われわれは両国がそれぞれ関係を正確に正しい場所に戻しはじめることを願う」と述べた。ポンペオ長官は「これは北朝鮮に関する脈絡において非常に重要なだけでなく、われわれが全世界で行っていることにおいても重要だ」と述べた。そして「彼らはみな米国の偉大なパートナーであり、友人であり、彼らが共に進展していくことをわれわれは希望する」と述べた。

 これに先立ち、米国防総省もデービッド・イーストバーン報道官の声明を通じて、韓国の決定に不満を表した。イーストバーン報道官は「国防総省は、文在寅(ムン・ジェイン)政府が日本とのGSOMIAを更新しなかったことに対して、強い憂慮と失望感を表明する」と明らかにした。彼は「われわれは韓日関係において他の分野での摩擦にもかかわらず、相互防衛と安保連帯の完全な状態が持続しなければならないと強く信じる」とし、「われわれは可能な分野で日本、韓国とともに2カ国および3カ国の防衛と安保協力を追求し続ける」と話した。

 同報道官はこの日午前、これよりもやや穏健な基調の声明を出している。彼は午前の声明で「われわれは日本と韓国が意見の隔たりを解消するために協力することを勧める。両国がこれを迅速に行えるようになることを希望する」と述べた。また、「米国と日本、韓国が連帯と友情で協力する時、われわれは皆さらに強くなり、北東アジアはさらに安全になる」とし、「情報共有はわれわれの共同の防衛政策と戦略を発展させる上での核心(key)」だと明らかにした。

 しかし、数時間後に「文在寅政府」を名指しし「強い憂慮と失望感」を示したのは、それだけトランプ行政府内部の雰囲気が良くないことを示すと解釈される。大統領府関係者はGSOMIA終了方針の発表後、記者たちに「われわれの外交的努力に対し日本の反応がなければ、GSOMIA終了は避けられないと米国側に力説し、米国はわれわれの決定を理解している」と明らかにしたが、米政府の雰囲気はそれとは異なってみえる。米国はこれまで日本の輸出規制強化による韓日間の対立について「韓日両国が解決すべきだ」という立場を示しながらも、GSOMIAに関しては韓米日安保協力の重要性を強調しながら、韓国政府にこれを維持することを求めてきた。最近相次いで訪韓したジョン・ボルトン国家安保補佐官、マーク・エスパー国防長官、スティーブン・ビーガン国務省北朝鮮政策特別代表も、韓国政府にGSOMIAの維持を要求した。にもかかわらず、韓国政府がGSOMIA終了を決定すると、不満の表出の水位を引き上げたものとみえる。米外交消息筋は、トランプ政権の気流について「良いはずがない」と伝えた。

 米国の専門家らはハンギョレに、韓国政府の決定が韓米関係も悪化させると懸念し、米国が韓日対立の緩和に向けてもっと積極的に関与することを求めた。

 米平和研究所のフランク・オム先任研究員は「GSOMIA終了決定は、特に困難な時期に米国、韓国、日本の間の重要な3カ国協力を阻害する失望すべき政治的決定」だと評価した。また、「明らかに米政府は韓国の決定を喜ばないであろうし、来月の韓米防衛費分担金交渉を控え状況が悪くなるばかりだろう」と述べた。韓国のGSOMIA終了の決定に対する米国の不満が、在韓米軍防衛費分担金交渉で圧力として返ってくる可能性があるということだ。

 米国外交協会のスコット・スナイダー先任研究員は「韓国の決定は、日本の域内の役割に対する認識問題が、韓米同盟の調整における見解の違いを示すイシューであることを示している」と述べた。彼は「米国は東アジアで同盟国間の協力を増進することに関心を持っており、その過程で同盟国が互いに協力を最大化することを続けて求めていく」と見解を述べた。

 マンスフィールド財団のフランク・ジャヌージ代表は、「韓国の決定は北東アジアで平和と安定を増進させようとする米国主導の努力を後退させたもの」だとし、「これは重大な時期に北朝鮮政策に対する同盟間協力を阻害させるもの」と評価した。ジャヌージ代表は「米国が韓国と日本の間の対話を促進させ、われわれ皆が核心的戦略利害と価値を共有しているという点を強調する道を探すことを願う」と述べた。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/906850.html韓国語原文入力:2019-08-23 07:39
訳C.M

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