北朝鮮のリ・ヨンホ外務相がイランのハサン・ロウハニ大統領と面会し、米国の制裁を批判したと、イラン大統領宮が8日に明らかにした。
リ外務相は同日、テヘランの大統領宮でロウハニ大統領と歓談した。ロウハニ大統領はこの場で「米国は信頼できない国であり、自らの義務を果たしていない」と非難した。ロウハニ大統領はここ数年間の米国の行動を見極めて下した結論だと述べた。これは2015年に国連安全保障理事会常任理事国とイランが結んだ核協定から米国が今年5月に脱退したうえ、7日から自国に対する制裁を再開した状況を批判したものだ。イラン政府は、シンガポール朝米首脳会談が開かれた6月12日にも「(帰りの)飛行機で署名を取り消すような人」だとして、ドナルド・トランプ米大統領を信頼しないよう北朝鮮に忠告した。
リ外務相は、米国がイラン制裁に再び乗り出したことを「不適切であり、国際規範を違反する」行動だと述べたと、イラン大統領宮が明らかにした。リ外務相は前日にイランに到着して、イランのジャバド・ザリフ外相と会談し、「両国関係に満足感を示すと共に、テヘランと平壌(ピョンヤン)間の協力の強化」について協議したと、現地マスコミが報じた。
リ外務相のイラン訪問は米国の対イラン制裁の再開と時期が重なっている。北朝鮮も核開発を理由に制裁を受けている中、両国が「同病相憐れむ」気持ちを表現したものと言える。リ外務相はイランを訪問する直前、シンガポールで開かれたASEAN地域安保フォーラム(ARF)で、マイク・ポンペオ米国務長官と遭遇した。しかし、ポンペオ長官と会談を行わず、6・12朝米首脳会談結果の履行をめぐり膠着状態に陥った雰囲気を反映した。
イラン外務省は、リ外務相の訪問は北朝鮮の要請によるものだと明らかにした。