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トランプに会いに行った安倍首相、朝米会談にどんな影響を与えるか

登録:2018-04-17 21:45 修正:2018-04-18 07:14
安倍、朝米首脳会談前に急遽トランプと会談 
朝米会談で日本の憂慮事項への配慮を要請 
北朝鮮拉致被害者問題と中短距離ミサイル廃棄を要請 
トランプ、日本にTPP交渉で譲歩を圧迫する見込み
ドナルド・トランプ米大統領と首脳会談をするために、フロリダ州のパームビーチへ向かう安倍晋三首相夫妻が17日、専用機の前で記者たちに手を振っている=東京/AFP聯合ニュース

 激変する北東アジア情勢から疎外された姿を見せた安倍晋三首相が、ドナルド・トランプ米大統領を訪ねる。「最大限の対北朝鮮圧力維持」を主張する日本の首相の訪米が、朝米首脳会談に及ぼす影響に注目が集まっている。

 安倍首相は17日、東京の羽田空港から出国した。出国直前に官邸で記者団に対し、トランプ大統領に会って「完全で検証可能かつ不可逆的な北朝鮮の核・ミサイル廃棄を実現するために、最大限の圧力を維持することを確認したい」、「北朝鮮問題と経済問題に対する連係と強固な日米同盟」を確認したいと語った。また「(日本人)拉致問題が、最初の朝米首脳会談で解決方向に進むよう全力を尽くしたい」と述べた。

 これに先立って共同通信は、安倍首相が「段階的・同時的非核化」という北朝鮮の要求を拒否しなければならないと要請するだろうと報道した。

 ホワイトハウスも安倍首相が要求する対北朝鮮対応が会談の焦点になるだろうと肯定的に応じた。ホワイトハウスは首脳会談日程の公示文で「北朝鮮問題を議論するため」と明らかにした。ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官はこの日、フロリダのマイアミに向かう大統領専用機で「貿易について多くの議論がなされるだけでなく、北朝鮮との会談のための準備に主に集中するだろう」と明らかにした。サンダース報道官は「大統領は明確にこの間(安倍首相と)極めて良い関係を作ってきた」と話し、安倍首相の要求を傾聴するだろうと示唆した。

 これに先立って先月9日、トランプ大統領が朝米首脳会談開催方針を明らかにすると、安倍首相は訪米計画を電撃的に発表した。日本は、南北・朝米首脳会談の発表に続き、朝中首脳会談が開催されるなど北東アジア情勢が急変する状況で存在感を確保できなかった。安倍首相個人としても、各種のスキャンダルで政権退陣要求デモが行われ支持率が急落した状況で、米国に緊急に応援を要請したわけだ。

 朝米首脳会談で日本が最も憂慮していることは、米国が自国を狙える大陸間弾道ミサイル(ICBM)プログラムの廃棄だけに集中し、日本を射程圏内に置く中短距離ミサイル問題を疎かにする可能性だ。安倍首相は先週、議会で北朝鮮の大陸間弾道ミサイル廃棄合意は「日本にとっては意味がない」と述べた。一方、マイク・ポンペオ米国務長官指名者は上院外交委で、米国は日本の防衛を続けるが、朝米首脳会談の要点は「米国に対する核脅威に対処すること」と述べた。

 トランプ大統領が日本側の要求をどこまで聞くかは予想し難い。ただし、強力な対北朝鮮圧迫と共に拉致問題の解決も要求する安倍首相の影響が効果的に作用するならば、米国の北朝鮮に対する要求条件が難しくなると展望される。

 だが、トランプ大統領が安倍首相の要請を聞き入れる形を取っても、日本が支払うことになる見返りは侮れないという展望もある。自民党のある議員は「安倍が拉致問題および中短距離ミサイル問題を取り出すならば、トランプは『OK、それでは経済的側面では何とかしろ』と言うことは明らかだ」とロイター通信に話した。

 トランプ大統領が先週、環太平洋経済パートナーシップ協定(TPP)交渉を再開するよう明らかにしたことも、日本にとっては圧力として作用する。トランプ大統領が就任直後に脱退を命じたこの協定に、米国が再び復帰することは日本が願うことであっても、彼は二つの条件を掲げた。この協定の条件が「バラク・オバマ大統領の時よりマシな取引でなければならない」ということと、日本との貿易二者交渉も要求した。

 韓国時刻で18・19日にフロリダのマールアラーゴリゾートで会う米日首脳は、昨年11月のトランプ大統領訪日時のように今回もゴルフを一緒に行う計画だ。

東京/チョ・ギウォン特派員、チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/840990.html韓国語原文入力:2018-04-17 18:45
訳J.S

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