安倍晋三日本首相が来月1日頃に開かれる見込みの韓日首脳会談で、両国間の最大懸案である“慰安婦問題”解決のための具体案を出すか注目される。日本政府は公式には否定しているが、現在停滞状態の陥っている韓日軍事協力を本格化する動力を確保するため安倍首相が譲歩案を出す可能性も排除できない。
菅義偉・官房長官は23日の定例記者会見で、「日本政府が3億円を投じて基金を作り日本政府が責任を感じるという表現を伝える案を用意した」という韓国マスコミの報道に関して「そのような事実は全くない。慰安婦問題を含め日韓間の懸案については局長協議などを進めており、今後も根気強く協議を進めるという従来の姿勢に全く変わりはない」と述べた。
日本政府はこの間、具体的な解決策を提示することに極めて否定的だったが、最近になって微弱な変化の兆候が感知されている。河村建夫元官房長官は21日、ソウルで日本の記者団に「(日本政府が民間から寄付を募って作った)アジア女性基金(1995~2007年)の後続事業の拡充を安倍首相に提案した」と話した。河村元長官はまた「先月25日、安倍首相との面談時に首相から先に『女性基金の後続事業(慰安婦被害女性たちを訪問し医薬品や生活必需品を手渡す事業)がなされている事実を最近知った』と言い出した。 解決案の一つとして考えているのではないかという気がする」と述べた。
東亜日報は23日付で、日本政府が政府の予算で3億円以上の基金を作り「日本政府の責任」という表現を使う案を用意したことが分かったと報じた。 このような案が実際に提示されれば、韓国政府と被害者団体は受け入れを巡り深刻に考慮することになると見られる。この案が、2012年3月に当時の佐々江賢一郎・日本外務省事務次官が韓国政府に提示したと言われている「佐々江案」より一部で進展した内容を含んでいるためだ。 当時の案は、日本首相の謝罪▽駐韓日本大使が慰安婦被害者を訪問し謝罪の手紙を伝達▽政府の予算で補償金支払いで構成されていたが、韓国政府が「法的責任」を明確に認めることを要求して失敗した。 しかし今回の案は日本側の主張である「道義的責任」と韓国側が要求する「法的責任」を「日本の責任」という表現で折衝した案であり、和田春樹・東京大名誉教授などが主張してきた案と大きな枠組みで一致する。
韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)は、団体が要求してきた法的責任を「慰安婦問題に対する明確な事実認定と賠償」と定義したことがある。 賠償は法的責任を前提とした内容なので、新しい案が提示されても団体の要求を充たさない。 しかし、右翼傾向の安倍政権がこれまでの態度を転換して提示する譲歩案であるために、受け入れ可否を検討するものと見られる。