フランスの週刊新聞『シャルリー・エブド』に対するテロを口実に、多くの国が通信の秘密など市民の権利を制限する法律を作る意思をちらつかせている。 フランス・パリで先頭に立って“表現の自由”を叫び、その裏では個人の自由を制約するというダブルスタンダードを見せているという批判が出ている。
フランスは12日、空港や駅など交通の中心地と観光地、ユダヤ人学校などテロ危険地域に軍隊と警察1万人を配置すると発表した。 マヌエル・バルス首相は今後3~4カ月以内に“例外的な処置”として、テロの危険を早く察知できるよう監視を強化する法律を作ると話した。 米ニューヨーク・タイムズ紙は「9・11テロ以後、米国が『愛国法』制定など様々な措置を取ったことについて、フランスは嫌悪感を示してきた」として「しかし、今のフランスは9・11テロ後に監視を強化した米国の雰囲気を想起させる」と指摘した。
ヨーロッパの内務大臣らは11日パリで会議を開き、国境管理を強化することにし、航空機搭乗者に関する情報共有、インターネット監視の強化などの対策を講じることにした。 このような処置に対する憂慮は、フランスでも出ている。 ル・モンドは「“テロとの戦争”という認識は恐ろしいものだ。 合理性を飲み込んでしまった感情の波が起こす満場一致の瞬間ほど危険なものはない」と指摘した。
11日、パリで開かれた「共和国行進」でフランスのフランソワ・オランド大統領と並んで街を歩いたデービッド・キャメロン英首相は12日、テロ容疑者らの暗号化された通信を監視できる通信傍受法の導入を再度推進すると明らかにした。 ただし、今年5月の総選挙で保守党が勝利することを前提にしたものだ。