本文に移動
全体  > 経済

韓国、AI普及で首都圏への雇用集中がさらに深刻化

登録:2026-09-16 07:05 修正:2026-09-16 09:56
韓国銀行、「AIと地域労働市場」 
AI「利用可能性」ソウル、世宗、京畿の順 
雇用増加80%以上が首都圏
オープンAIが開発した生成AI「チャットGPT」のロゴ/ロイター・聯合ニュース

 人工知能(AI)の普及が首都圏への集中度を高め、地域間格差を拡大させているとする分析が発表された。

 韓国銀行地域経済調査チームのチョン・ミンス・チーム長は、15日に公表した分析報告書「AIと地域労働市場」(キム・ボソン次長、チョン・ユジョン、チャン・スビン調査役との共著)で、AIを「生成」、「エージェンティック」、「フィジカル」の3つのタイプに分類し、職業別、地域別のAI露出度(利用可能性)を算出した。韓銀によると、これはAIをタイプで分けて分析した国内初の試み。報告書は、この日午後に大田のロッテシティホテルで開催された「2026 BOK地域経済シンポジウム」で公開された。

 職業別の露出度と17市道の地域別雇用調査(2025年)にもとづく分析によると、生成AI露出度はソウル市、世宗市、京畿道、仁川市の順に高く、エージェンティックAI露出度はソウル市、世宗市、京畿道、大田市の順だった。両者とも1~3位が同じで、首都圏の露出度が高かった。

 ここでいう「生成AI」とは、学習データのパターンをもとにテキストやイメージなどの新しいコンテンツを生成するタイプのAI。エージェンティックAIとは、目標達成のために自ら計画を立て、業務フロー全体を遂行するタイプのAIを指す。韓銀の説明によると、露出度とはAIによる潜在的な自動化、またはAIの「利用可能性」を意味し、地域別露出度は企業活動調査(2024年)と経済活動人口調査(2025年)にもとづき、職業別露出度をその地域の職業ごとの就業者数で加重平均して算出したもの。

 センサーで現実世界を認識し、アクチュエータ(モーターなど)を用いて物理的タスクを実行するタイプのフィジカルAIへの露出度は、他の2つのタイプとは異なり、慶尚北道、全羅南道、忠清北道、蔚山の順で非首都圏で高かった。

 韓銀は「地域間の露出度の差は、地域ごとの職業構成と産業構造の違いを反映している」と分析。首都圏では、生成AIの露出度が高い事務職(首都圏内の比率20.2%)、販売職(8.9%)の雇用と、エージェンティックAIの露出度の高い管理者(1.5%)、専門家(28.1%)の雇用の比率が相対的に高かった。首都圏以外では事務職の雇用が15.8%、販売職が8.9%、管理者が1.2%、専門家が18.0%だった。

 非首都圏ではフィジカルAIの高露出職業である装置・機械操作(非首都圏内の比率12.0%)、単純労務(14.6%)、サービス職(13.1%)の雇用の比率が高い(首都圏の比率はそれぞれ8.1%、12.7%、12.2%)ことに起因するという説明だ。

 このような違いは雇用増加の格差につながっていると分析された。生成AIが本格的に普及しはじめた2023年からの3年間で、生成AI高露出職業(上位33%)の就業者数(15~59歳)は24万7000人増加し、そのうち首都圏は80.8%(19万9000人)を占めていた。エージェンティックAI高露出職業においても、2025年に増加した雇用10万5000人に占める首都圏の比率は88.3%(9万3000人)と高かった。肉体労働中心のフィジカルAI高露出職業の就業者数は、首都圏と非首都圏いずれも長期的に減少していた。韓銀は「雇用が首都圏だけで大幅に増加したのは、AIの利用度と情報技術(IT)の人的資本の地域間格差に起因すると推定される」と語った。

 もう一つ目を引くのは、20代はその他の年代層とは異なり、生成AI、エージェンティックAIへの高露出職業の就業者数が首都圏と非首都圏ともに減少し、地域間格差もはっきりしなかったことだ。チョン・ミンス・チーム長は、「大学卒業直後の若年層が専門性を身につけたり経験を積んだりすることが、地域に関係なく非常に困難であることを示している」と説明した。そして「地域サービス業の専門化を図るため、大学と公共機関との協力を通じてAI教育システムを強化するとともに、製造業と知識サービスとの融合、スタートアップの育成を支援する」ことを提案した。地域の拠点大学がAI研究と教育においてハブ(中心)として機能するよう、投資を拡大することもあわせて提案した。

キム・ヨンベ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1277878.html韓国語原文入力:2026-09-15 12:00
訳D.K

関連記事