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関税交渉めぐり隔たりは残っているのに…トランプ大統領「韓国と妥結間近」

登録:2025-10-27 06:33 修正:2025-10-27 08:53
「韓国が米国の条件を受け入れ次第」 
現金投資の割合をめぐり、依然として隔たり埋まらず 
ウィ・ソンラク国家安保室長「今回の妥結は確信できない」
2025年10月21日火曜日、ワシントンD.C.のホワイトハウスのオーバルオフィスで開かれたディワリ祝賀行事中、ドナルド・トランプ大統領が記者団の質問に答えている/AP・聯合ニュース

 韓国政府が韓米間にいくつかの意見の相違があり依然として激しく対立していると述べた関税交渉について、米国のドナルド・トランプ大統領は「妥結間近」だと主張した。交渉妥結に対する期待を示すと同時に、米国が望むレベルで合意すべきだと圧力を加えたものとみられる。29日に予定された韓米首脳会談を控え、7月末の暫定妥結後から3カ月間行われた神経戦が最終段階に入った様子だ。

 韓国をはじめとするアジア歴訪に発ったトランプ大統領は24日(現地時間)、専用機内で記者団に応じ、「今回の訪問で韓国と交渉を完了すると期待しているか」という質問に「妥結に非常に近づいている」と述べ「彼らの(妥結に向けた)準備ができ次第だ。私は準備ができている」と答えた。前日、トランプ政権の高官も電話ブリーフィングで「できるだけ早く合意を締結することを待ちわびている」とし、「韓国が私たちが適切だと考える条件を受け入れ次第」だと述べた。

 このような発言は、3500億ドル規模の対米投資ファンドの構成と執行方式をめぐり、韓米の立場の相違が依然として残る中で出てきた。キム・ヨンボム大統領室政策室長らは22日、ハワード・ラトニック米商務長官と最後の会談を行ったが、「現金の比重を増やすべき」と主張する米国と平行線をたどったという。米国は8年間に250億ドルずつ分割投資する案を提示したが、韓国政府は外国為替市場の安定性を守るためには年間150億ドル以上は不可能とみている。両国は、別の争点である投資先の決定権限や収益配分をめぐっても、明確な合意に至っていないという。

 こうした状況でアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議を機に訪韓するトランプ大統領などが、「条件の受け入れ」を要求して妥結間近と述べたのは、米国の要求を受け入れるよう強く促す意味といえる。

 しかし、韓国政府はそのような条件では合意できないという立場を重ねて表明している。大統領室のウィ・ソンラク国家安保室長は26日、「韓国放送」(KBS)の「日曜診断」に出演し、「今回の首脳会談を機に妥結できるかどうかは、私も確信できない」と述べた。ウィ室長は関税・安保議論の結果が「共同合意文」の形で出てくるかについては「(事前に互いに文書を分けて調整する)ジョイント・ファクトシートというものもある」とし、「安全保障分野についてはそのような文言が(韓米の間で)了解されている」と語った。だが、「関税分野は共通の文書にまでは至っていない」とし、「関税の方がうまくいけば、同時に出るかもしれないし、もしそれができなければ、(安全保障の方だけでも)別途に(発表)するか、それとも両方ともできるまで待つかを決めなければならない」と述べた。

 大統領室も、トランプ大統領の発言に対して「韓米交渉の早急な妥結を望む原則的な発言だと捉えている」としたうえで、「特定の期限を設けるよりは、国益の極大化の観点から相互互恵的な結果が導き出されるよう最善を尽くす」と述べた。最近CNNとのインタビューで李在明(イ・ジェミョン)大統領が「APEC首脳会議以降になるかもしれない」と述べた発言の延長線上にある。

 ただし、一部では両首脳が劇的に合意する「トップダウン」方式の可能性を排除できないという見方もある。政府消息筋は「成果を重視するトランプ大統領は韓米首脳会談を通じて何かを発表したがるだろうから、我々もこれをチャンスとして活用しなければならない」と語った。

ワシントン/キム・ウォンチョル特派員、シン・ヒョンチョル、ソ・ヨンジ、イ・ボニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1225542.html韓国語原文入力:2025-10-26 21:25
訳H.J

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