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インドに活路求める現代自動車…サプライチェーン・市場の多角化に加速ペダル

登録:2025-10-15 06:30 修正:2025-10-15 08:44
現代自動車のホセ・ムニョス代表取締役が9月、米国ニューヨークで開かれた「2025現代自動車CEOインベスターデー」で発表している=現代自動車提供//ハンギョレ新聞社

 ホセ・ムニョス現代自動車代表取締役(CEO)が15日(現地時間)、インドで開かれるインベスターデーに出席する。米トランプ政権による25%の自動車に対する品目別関税の障壁を克服するため、サプライチェーンと市場の多角化に拍車をかける様子だ。

 14日、ハンギョレの取材によると、ムニョス氏はインドのムンバイで開かれるインベスターデーに出席し、インド市場でのシェアを高めるための構想を発表するとともに、投資を呼びかけるメッセージを発表する。1996年にインド現地法人を設立し、昨年10月にインド証券市場に上場した現代自動車が、現地でインベスターデーを開催するのは今回が初めて。現代自動車は15日のイベントで、小型スポーツ実用車(SUV)の「VENUE」(ヴェニュー)のフルチェンジの新モデルを公開し、第4四半期に設備改善作業が完了するプネー工場の生産計画を発表する予定だ。現代自動車の関係者は「今年に入って実績が小幅減少した上、中国企業がインド進出を推進するというニュースが流れたことで、社内で危機意識が高まった」とムニョス氏のインド訪問の背景を説明した。

 現代自動車は先月18日(現地時間)、米ニューヨークで開かれた「2025CEOインベスターデー」で、インドを主な市場に挙げた。ムニョス氏は当時、「米国は収益性の良い市場であり、今後もそうだろうが、現代自動車は米国市場だけに頼らない」とし、「インドは多くの自動車メーカーが苦境に立たされている市場だが、現代自動車は収益性を高めていく」と強調した。

 現代自動車が2023年に米国GMから買収し、設備整備作業中のインドのプネー工場の年間生産目標は25万台。既存のチェンナイ工場の80万台と合わせると、年間生産量が100万台を超えることになる。米アラバマ・ジョージア工場での現代自動車・起亜の生産台数(100万台)を上回る数値だ。昨年、現代自動車はインド市場で59万8666台を販売し、市場シェア13.9%を記録した。現地企業のマルチ・スズキは176万765台を販売し、独歩的なシェア1位を維持している。

 現代自動車がインド市場に注目する理由は、自動車販売台数基準で中国(1位)と米国(2位)に次いで3番目に大きい市場だからだ。米中に比べて貿易障壁がまだ高くないのも利点に挙げられる。このような理由から、現代自動車は今年、北米地域での販売比重を現行の29%から26%に、韓国での販売比重を17%から13%に下げながらも、インド地域での販売比重は現行の15%に維持すると発表した。インド市場の割合を韓国市場より高く評価し、インドを事実上「2番目の市場」と想定したのだ。現代自動車はインドと中国市場攻略のため、2027年にインド市場に特化した軽型スポーツ実用電気自動車を発売する計画だ。

 一部では15日のイベントで現代自動車が高級車ブランドである「Genesis」(ジェネシス)をインド現地で販売する可能性も提起されたが、今回のイベントでは推進されない見通しだ。現代自動車の関係者は「未舗装道路が依然として多く、道路事情が良くないため、インド市場では車体が大きいセダンよりは小型・軽自動車の方が需要が高い」と説明した。

 ムニョス氏は先月23日(現地時間)、中国の上海で開かれた「インベスターデー」イベントにも出席し、中国市場専用の車として今年準中型の電動SUV「ELEXIO」(エレクシオ)を披露し、来年は準中型EVセダンも発売すると明らかにした。ただし、現代自動車は中国市場の現地化に一度挫折したことがあり、シェアを高めるのは容易ではないという指摘もある。

 韓国自動車研究院のイ・ハング研究委員は「第2次トランプ政権が自動車関税を引き上げた後、北米と欧州市場が貿易障壁を築いており、自動車産業がグローバル市場ではなく、ブロック・地域化している」とし、「中国市場は自国企業の優先主義が強すぎて攻略が容易ではなく、インド政府が保護貿易に転じる前に現代自動車が現地化を急いでいるものとみられる」と指摘した。

イ・ジェホ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/car/1223338.html韓国語原文入力: 2025-10-14 22:17
訳H.J

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