現代自動車グループが米国の現地生産車の割合を拡大し、対米投資を積極的に推進する。米国政府が16日(現地時間)から日本製自動車に15%の関税を適用し、依然として25%の関税を課している韓国製自動車の価格競争力が下落するとの懸念が出ている中、ハイブリッド車のラインナップ強化など現地投資の拡大を通じて米国市場での不確実性を打開する戦略だ。
現代自動車は18日午後11時(現地時間)、米ニューヨーク・マンハッタンの複合文化施設「ザ・シェッド」(The Shed)でグローバル投資家、アナリスト、格付け会社の担当者を対象に「2025年CEOインベスターデー」を開き、このような内容の中長期戦略と財務計画を発表する予定だ。現代自動車が韓国外でインベスターデーを開くのは今回が初。
現代自動車は、電気自動車(EV)のキャズム(一時的な需要鈍化)や関税負担など今後の不確実性を突破する戦略として、ハイブリッドなどエコカーのラインナップ強化▽革新生産基地の拡張▽高性能ブランド「現代N」のラインナップ拡張販売の大きく3点を提示する計画だ。
まず、ハイブリッド車のラインナップを2030年までに基本型(エントリー)から中型、大型、ラグジュアリーを取り揃え、従来の2倍水準の18種以上に拡大し、市場需要の変化に積極的に対応するというのが現代自動車の説明だ。初の後輪(RWD)基盤であり、ジェネシスブランド初のラグジュアリーハイブリッド車を来年発売し、今後、価格競争力を備えた基本型ハイブリッドの開発も推進する。
また、昨年のインベスターデーで明らかにした「2030年グローバル555万台販売」の目標も具体化する。555万台は、今年の販売目標値である417万台から33%(138万台)増えた水準だ。圏域別では北米26%、インド15%、欧州15%、韓国13%、中東およびアフリカ8%、中南米8%、中国8%、アジア太平洋(中国を除く)7%の割合で販売する方針だ。
こうした目標を達成するため、市場の多角化を図る。今年3月、米ジョージア州で竣工した現代自動車グループのメタプラント(HMGMA)に加え、来年稼動するインドのプネー、韓国の蔚山(ウルサン)新工場などの革新生産基地を足場に、現代自動車のグローバル販売成長を成し遂げる計画だ。このほか、「現代N」のラインナップも現在の5モデルから2030年には7モデル以上に拡大する。
この日、現代自動車は関税の影響を反映した中長期財務戦略も発表する。今年の投資計画は従来の16兆9千億ウォン(約1兆8千億円)から16兆1千億ウォン(約1兆7千億円)に下方修正した。ただし、今後5年間の投資計画は昨年発表した計画より7兆ウォン多く投資することにした。「今後5年間、研究開発・戦略投資などに77兆3千億ウォン(約8兆2千億円)を投資し、現地化戦略の実行およびソフトウェア競争力の強化に集中する」との説明だ。米国への投資拡大計画も明らかにする。現代自動車の米国への投資金額は、従来の11兆6千億ウォン(約1兆2千億円)から今後は15兆3千億ウォン(約1兆6千億円)へと3兆7千億ウォン拡大する見通しだ。
さらに、コストパフォーマンスを高める意志も今回のイベントで明らかにする。連結部門の営業利益率の目標値を、2025年6~7%▽2027年7~8%▽2030年8~9%に決めた。これは先に現代自動車が提示した「2030年10%」よりは低い水準で、関税率によるコストの負担を節減することに努めるという意味とみられる。
現代自動車は「ハイブリッドおよびジェネシス中心の販売ミックスの改善、持続的な現地生産およびソーシングの最適化などの現地化戦略、ハイブリッドおよびEV、ソフトウェア中心車両(SDV)のコスト競争力強化などで、収益性の改善を継続して推進する」と述べた。