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支出が格段に増えた韓国の高齢者層…15~64歳の消費増加率の2倍

登録:2025-10-12 19:44 修正:2025-10-13 08:34
2023年、65歳以上の消費額は25.7兆円で過去最高 
クリップアートコリア提供//ハンギョレ新聞社

 韓国の高齢者層の消費の増加率が、主な労働年齢層の2倍に達することが分かった。高齢者の人口が増えた影響の他にも、この層の1人あたりの消費支出が急速に拡大していることが明らかになり、「消費主体」としての高齢者層の重要性が次第に浮上している状況だ。

 12日、国家データ処の国民移転勘定統計によれば、2023年基準で65歳以上の高齢者層の消費総額は243兆8千億ウォン(約25.7兆円)で、前年に比べ12.0%増加し、史上最高値を記録した。全体の消費総額の約7割を占める15~64歳の「労働年齢層」の消費増加率(6.3%)の2倍に近い急激な増加傾向だ。高齢者層の消費が全体に占める割合も16.7%で過去最高値となった。

 特に、高齢者層の消費の中でも個人支出である民間消費(150兆ウォン=約15兆8千億円)の増加率は14.9%も急増した。韓国政府が提供する福祉・医療などの公共消費増加率(7.6%)を大きく上回る水準だ。民間消費のうち、医療費中心の保健消費よりレジャー・文化・外食など「その他の消費」が大きく増えたというのが国家データ処の説明だ。高齢者になって自然に増加する病院費の他に、高齢層の生活の質に関連した消費にもより積極的に乗り出しているという意味だ。

 この層の消費の財源は政府の福祉や子どもの扶養など、移転(131兆ウォン=約13兆8千億円)の規模が依然として大きいが、自身の資産を土台にした消費も増えている傾向だ。2023年の民間資産の再配分は昨年49兆3千億ウォン(約5兆2千億円)で、過去最高値を記録した。民間資産の再配分は、利子・賃貸料など資産から発生する所得だけでなく、貯蓄を減らしたり資産を処分して消費に使う金額までを含めた概念だ。高齢者層が保有資産を消費財源としてどれだけ活用しているかを示す指標にあたる。

 こうした現象は、70代以上の人口が20代の人口を逆転した最近の人口構造の傾向と無関係ではない。国家データ処の人口住宅総調査の結果(登録国勢調査方式)によれば、昨年の20代の人口は前年に比べ19万3千人減った630万2千人で、70代以上(654万3千人)より少なくなった。20代の人口が70代以上を下回ったのは、1925年の統計集計以来初めてのことだ。20代の人口は2020年に703万人でピークに達した後、4年連続で減少し、年代別の労働所得と消費規模などにも影響を与えている。国家データ処の関係者は「ベビーブーマー世代が高齢層に流入し、高齢者層の人口が増えた影響もあるが、1人あたりの消費額の増加が明確にあらわれ、この層の人々が主要な消費層に浮上している」と述べた。

 ただ、高齢者層でも世代別の格差ははっきりとあらわれた。高齢者層全体の消費の59.3%、民間資産再配分の68.5%は65~74歳に集中した。65~74歳の人口の消費増加率(13.1%)も75歳以上(10.4%)を上回った。相対的に引退後の期間が短く、資産が多く活動性が高い「若い高齢者層」が主な消費層を構成しているという意味だ。

パク・スジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1222909.html韓国語原文入力:2025-10-12 18:46
訳J.S

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