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韓国政府、対米関税交渉に農畜産物の開放を示唆…「また農業が犠牲に」農民団体は反発

登録:2025-07-15 19:54 修正:2025-07-15 22:49
通商本部長「農産物も戦略的に判断しなければならない」
産業通商資源部のヨ・ハング通商交渉本部長が14日、訪米交渉の結果を説明している=産業通商資源部提供//ハンギョレ新聞社

 産業通商資源部のヨ・ハング通商交渉本部長は、8月1日より前に米国との関税交渉を妥結するために交渉を加速するとし、米国産農畜産物に対する輸入市場開放について「戦略的判断」が必要だと明らかにした。農畜産物市場などを追加で開放する代わりに関税引き下げなどの譲歩を引き出すという意思を示したと読み取れるが、農業者団体などからは直ちに反発の声が上がった。

 ヨ本部長は14日、先週の訪米結果に対するメディアブリーフィングで「今から本ゲームが始まったと言っても過言ではない」として「選択と決定の時間」が来たと述べた。これに先立ち、ドナルド・トランプ米大統領は李在明(イ・ジェミョン)大統領に送った公開書簡で、韓国が貿易障壁を除去しなければ8月1日から韓国商品に25%の相互関税を課すと予告した。

 ヨ本部長は「これからはランディングゾーン(着陸地点)を探すための交渉を本格化しながらやりとりする交渉を準備する」とし「最終交渉はパッケージディールの形で妥結する可能性が高く、関係部処(省庁)別に協力して可能な案を検討中」だと明らかにした。ヨ本部長は「原則的な合意がなされた状況を仮定し、さらに続けて交渉するフォーマット(形式)は可能だ」とし、まずは大きな枠組みで合意し、その後に具体的な内容を確定する方向で交渉を進める計画を明らかにした。

 ヨ本部長は、米国が要求する農畜産物市場開放拡大に対しては、「米国だけでなくどの国と通商交渉をしても農産物が苦痛を受けない交渉はなく、その中でわれわれの産業競争力は強化されてきた」として「農産物も戦略的判断をしなければならない部分だと考える」と述べた。また、政府が交渉カードとして強調する韓米製造業協力強化について「(ハワード・ラトニック)商務長官と1週間足らずの短い期間に2度会った」とし、「米国の貿易赤字を減らし、両国のパートナーシップで韓国産業の競争力も増進させる案について、かなりの進展があった」と述べた。

 農畜産物市場の開放拡大の気流に対し、農業界は警戒の声を上げている。全国農民会総連盟は声明で「非常識で無分別な通商圧迫に屈服し、再び農業を犠牲にするということ」だとし、「主権国家として米国の脅迫に堂々と対抗して戦え」と主張した。彼らは16日、全国の「共に民主党」本部前で同時多発抗議記者会見を行う計画だ。

イ・ボニョン、ソン・インゴル、チョン・デハ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1207958.html韓国語原文入力:2025-07-14 20:56
訳J.S

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