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韓国、税金・福祉制度による所得再分配がOECD31カ国中28位

登録:2025-03-23 19:12 修正:2025-03-24 20:24
ソウル市麻浦区孔徳洞で高齢者が古紙を積んだリヤカーを押して古物商に向かっている。OECD加盟国のうち、高齢者の貧困が最も深刻な国だ=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 韓国の租税と福祉制度を通じた所得再分配機能が、経済協力開発機構(OECD)加盟国31カ国のうち28位と最下位圏であることが分かった。これは尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の初年度基準であり、その後行われた縮小財政と減税政策を考慮すれば、所得再分配機能はさらに弱まったと推定される。

 23日OECDによれば、2022年基準で韓国の税引き前・税引き後のジニ係数改善度は18.2%で、統計が発表された31加盟国の中で28位を記録した。31カ国の平均は31.9%だった。ジニ係数は所得不平等を示す経済的指標(0~1)で、0に近いほど平等を示す。税引き前・税引き後のジニ係数改善度は、税金や社会保障寄与金などが考慮されない名目所得を通じて算出した「市場所得ジニ係数」と、租税と福祉の恩恵など所得移転がなされた後の「可処分所得ジニ係数」を比較して、所得不平等が緩和された比率を意味する。改善度が高いほど、税金・福祉など国家の機能を通じて所得不平等が大きく緩和されているという意味だ。

 韓国の2022年の市場所得・可処分所得のジニ係数は、それぞれ0.396と0.324だった。市場所得の不平等程度は31カ国中で2番目に良好だったが、仮処分所得基準ジニ係数は20番目へと落ちた。2022年の改善度が最も高いところはベルギーで48.0%だった。続いてフィンランド(46.5%)、フランス(43.3%)、スロベニア(43.2%)など欧州諸国が大部分上位圏だった。韓国より下はコスタリカ(11.6%)、チリ(8.8%)、メキシコ(3.8%)の3カ国のみ。英国(28.7%)は22位、米国(22.7%)は26位で下位グループだった。

 韓国の改善度の絶対値は改善される流れを見せたが、他の国々の改善傾向がより良く、順位は上がらなかった。2015年に11.1%で初めて二桁を超えた改善度はその後も傾向的に高くなり、新型コロナウイルス感染症の余波で各種支援金が投入された2020年に過去最高水準の19.0%まで上がった。

 再分配機能はさらに後退するものとみられる。尹錫悦政府は就任初年度から法人税の最高税率引き下げや総合不動産税の緩和など減税政策を続けており、健全財政を掲げて政府の総支出増加率を以前より低く維持してきたためだ。

パク・スジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1188413.html韓国語原文入力:2025-03-23 16:06
訳J.S

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