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「ディープシークの衝撃」ハイニックス株への影響は…6連休明けの韓国証券市場に注目

登録:2025-01-30 20:18 修正:2025-01-30 22:54
31日開場…AI好況に乗っていたSKハイニックスの株価動向は
中国のディープシーク(DeepSeek)アプリのアイコンをユーザーがクリックしている/ロイター・聯合ニュース

 人工知能(AI)半導体チップ設計会社NVIDIA(エヌビディア)のジェンスン・ファン最高経営者が「有用な量子コンピューターの実用化には20年はかかるだろう」と述べたという報道が1月8日に流れた後、イオンキュー(-39.0%)をはじめとする量子コンピューティング関連企業の株価が40%前後暴落するという件があった。今度は逆に「ジェンスン・ファン」が痛手を受けた。中国のAIスタートアップのディープシーク(Deepseek)が低コスト・高性能のAIアプリを発売したことを受け、NVIDIAの株価は27日(現地時間)、17.0%急落した。

 NVIDIAがディープシークの衝撃を最も大きく受けたのは、NVIDIAの高価なチップを使わなくても高性能なAIの開発は可能なのではないかという点のためだ。AI半導体市場を70%ほど占有しているNVIDIAの株価は、28日に8.93%反騰した後、29日には再び4.1%下落するなど乱高下している。29日の終値(123.7ドル)は前週末の終値(24日、142.62ドル)に比べて13.3%減であり、27日の衝撃はやや吸収された格好だ。技術株が中心のナスダック指数も27日に3.07%急落したが、29日の終値は24日の98.4%水準まで回復した。

 国際金融センターは29日、ディープシークの衝撃をきっかけに、AIに対する過剰投資の懸念が再び浮き彫りになったと明らかにした。トランプ大統領がオープンAI、オラクル、ソフトバンクと共に1千億ドル規模の合弁投資を発表した数日後に姿を現したディープシークの登場が、マイクロソフトをはじめとする米国ビッグテックのAI過剰投資の懸念を再浮上させたということだ。

 しかし、AI半導体の需要に対しては肯定的な展望も浮上していると国際金融センターは補足した。AIモデルの効率化は、むしろこの技術の活用度を高め、AI半導体の需要増加につながるということだ。「NVIDIAのチップは学習と推論という2つの用途があるが、推論のためのチップの需要はまだ開始段階に過ぎない」(ラジカルベンチャーズ)、「ディープシークの画期的な技術はNVIDIAには打撃にならないだろう。サービスを売るオープンAIのような会社にとってこそより大きな問題だ」(テックインサイト)などの分析がそのような見解を含んでいる。アップルの場合、ディープシークの衝撃当日「AIを搭載した機器の需要増加期待」で株価が3%も上昇した。

 NH投資証券アナリストのイム・ジヨン氏は、ディープシークのアシスタントアプリの性能は「NVIDIAや注文型半導体(ASIC)でリードするブロードコム、TSMCのような主要な企業の業界内競争力を揺さぶるイシューではない」と指摘した。

 これに先立って暴落した量子コンピューティング関連株の場合、39%下がったイオンキューは下落前日の価格の79.7%水準に回復し、45.41%下がったリゲッティ・コンピューティングも68.8%水準に回復した。概して下げ幅の半分ほどは回復している。

 31日、旧正月連休で休場していた韓国の証券市場が開かれる。AIチップの好材料に乗って大幅に上昇してきたSKハイニックスの株価が、今回のディープシークという変数でどのように動くか、投資家の関心も高まっている。同社の株価はこの1カ月間で約40%急騰した。同社は米NVIDIAにAI用の高性能半導体を供給している。

チョン・ナムグ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1180047.html韓国語原文入力:2025-01-30 15:31
訳J.S

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