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「3高」に中東リスクまで…高まる対外不確実性の中、非常経営体制に入る韓国企業

登録:2024-05-02 06:18 修正:2024-05-02 07:34
3高(高金利・ドル高・高インフレ)に中東情勢の不安まで重なり、韓国企業の危機感が高まっている=ゲッティイメージより//ハンギョレ新聞社

 最近、先制的に勤務時間を増やし、事業の構造調整、費用削減に乗り出す韓国企業が増えている。高金利、ドル高、高インフレの「3高」に中東情勢不安で対内外経済の不確実性が高まったことを受け、企業の危機感が募っている。

 サムスングループの主要系列会社の役員らは最近、週6日勤務に入った。事実上の非常経営だ。主力系列会社であるサムスン電子が昨年半導体事業部門で「15兆ウォン(約1兆7千億円)の赤字」という最悪の成績を記録した時も行わなかった勤務体制だ。業況の回復などに後押しされ、今年第1四半期の半導体事業部門で1兆9100億ウォン(約2100億円)の営業利益を出し黒字転換に成功したが、今になって「役員の週6日勤務」を施行するのは、それだけ経営の不確実性が高いという判断によるものだ。サムスン関係者は「対内外の経営環境が不確実だという危機感が社内で広がっている」と語った。

 サムスンだけではない。財界序列2位のSKグループは、主要経営陣が参加する土曜日の会議を24年ぶりに復活させた。グループ最高意思協議機構のSUPEX(Super Excellent)追求協議会所属の役員らは、月に2回、金曜日に休めるフレックスタイム制を返上した。

 構造調整に乗り出した企業もある。Coupang(クーパン)をはじめ、AliExpress(アリエクスプレス)など多様な国内外のEコマース(電子商取引)の攻勢が激しい流通業界が特に非常事態だ。emart(イーマート)は最近、創業以来初めて希望退職を募った。今年下半期にはスーパーと企業型スーパーマーケット(SSM)の統合作業にも乗り出す。ロッテデパートと現代デパートは売上が振るわない売場を撤退させるなど、経営の効率化作業を進めている。この他に石油化学業界1位のLG化学も希望退職の申請を受け付けるなど雇用リストラに着手した。

 企業各社はコスト削減のため、役員報酬や役職員への福祉も減らしている。サムスンやSK、LGなど主要企業は全体の取締役の報酬限度を総額基準で10億~50億ウォン(約1億1200万円~5億6千万円)ほど縮小し、新規役員数も前年に比べて減らした。ロッテグループは平日のゴルフをはじめ、週末の日程を含めた海外出張禁止令を下した。emartは役員たちに法人カードの使用を最小化するよう呼びかけているという。

 このように国内企業が財布の紐を引き締めているのは、それだけ内外の経済状況が容易ではないためだ。5大グループのある役員は「第1四半期の主要企業実績は好調傾向にあるが、景気の不確実性が高く、先制的対応が必要な状況」だとし、「企業の非常経営体制は下半期にも続くものとみられる」と語った。

キム・ギョンウク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1138949.html韓国語原文入力:2024-05-01 21:15
訳H.J

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