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反騰に転じたDRAM現物価格…サムスンとSK、第4四半期は黒字転換?

登録:2023-10-08 21:10 修正:2023-10-09 09:18
先端半導体量産施設を備えたサムスン電子平沢キャンパス内部の全景=サムスン電子ホームページより//ハンギョレ新聞社

 半導体市場の先行指標となるDRAM現物価格が反騰傾向を続けている。サムスン電子とSKハイニックスの半導体事業は第3四半期も赤字と予想される中で、メーカーの減産効果がDRAM価格を引き上げ、来年の上半期には実績の反騰を成し遂げるだろうという見方が出ている。

 8日、半導体市場調査業者「DRAMエクスチェンジ」の調査によると、DRAM汎用製品「DDR4 8ギガビット2666」の6日基準の現物価格は1.518ドルを記録。先月4日の年中最安値1.448ドルに比べ、1カ月間で4.8%上がった。容量が大きい「DDR4 16ギガビット2666」の価格もやはり先月8日には2.715ドルで年中最安値を更新したが、1カ月後の6日には2.80ドルとなり3.13%上がった。

 DRAM現物価格は昨年2月以降下り坂を辿っていたが、先月から反騰傾向を見せている。グローバル景気低迷でパソコンなどデジタル機器の需要が減った状況で、メーカーのDRAMの在庫が急増したことが価格下落を招いた。その結果、世界最大手であるメモリー半導体メーカーのサムスン電子までもが今年上半期だけで9兆ウォン台の赤字を記録し、汎用半導体の減産幅を拡大した。

 DRAM現物価格は、消費者取引のような小売市場で適用される製品の価格だ。メモリーメーカー全体の売上に占める割合は大きくはないが、企業間の契約時に適用される固定取引価格に影響を与える代表的な市場先行指標となる。企業間の固定取引価格は、通常3カ月前後の時差を置いて現物価格と同様に上下する傾向を帯びる。

 企業間の固定取引価格も下落傾向が止まった状態だ。DRAMエクスチェンジによる集計の結果、DDR4(8ギガビット)の9月の平均固定取引価格は1.30ドルで先月と同じ。4月の1.45ドルから5カ月連続で2%前後の下落が続いていたが、先月から横ばいに転じた。匿名の業界関係者は「減産効果が現れる6カ月前後の時点で在庫が正常化する信号だ。DRAM価格が下がり続ける状況は(これ以上は)発生しないだろう」と述べた。

 第4四半期からはDRAMメモリー固定取引価格の反騰と共に、メモリー半導体価格の反騰が実績の反騰につながる可能性も取り上げられている。キウム証券のパク・ユハク研究員は「メモリー半導体産業動向」と題する報告書で「パソコン業者などのDRAMの在庫は依然として10~16週間程度と高い水準だが、サムスンの追加の減産決定と価格変曲点を通過したことに対する共通認識のため購買心理に変化が現れている」と述べた。

 サムスン電子とSKハイニックスが第3四半期に半導体事業で赤字幅をどれだけ減らすことができるかも注目される。金融情報会社のFnGuide(エフエヌガイド)は、サムスン電子の第3四半期の営業利益のコンセンサスは2兆2348億ウォン(約2500億円)で、前年同期比79.41%減少すると推定した。また半導体事業で第3四半期にも4兆ウォン(約4400億円)前後の赤字が発生すると予想した。SKハイニックスも第3四半期の営業赤字が1兆6820億ウォン(約1800億円)に達すると予想されている。

 KB証券のキム・ドンウォン研究員は「サムスン電子の第3四半期の暫定実績発表が、実績の底を認知する契機になるとみられる。第4四半期にはDRAMとNANDフラッシュの価格が同時に反騰し、DRAM事業は今年第4四半期、NANDは来年第2四半期から黒字に転換するものと思われる」と述べた。

オク・キウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1111284.html韓国語原文入力:2023-10-08 20:20
訳J.S

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