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倉庫に積みあがる半導体…AIサービスの拡大が反転の変数

登録:2023-04-13 19:32 修正:2023-04-14 06:25
サムスン電子が半導体減産に乗り出しても在庫は過去最高値
サムスン電子の半導体工場内部=サムスン電子提供//ハンギョレ新聞社

「サムスン電子が減産に加わっても業況の早期回復は確信できない」

 世界のメモリー半導体市場シェアのトップ企業であるサムスン電子が「半導体減産」を公にした後、今年下半期の半導体業況回復を尋ねた質問に対し、12日、半導体メーカーの高位関係者が言った言葉だ。生産量を減らしても世界景気の鈍化で需要不振が続けば、半導体価格の下落傾向が持続する可能性があるという話だ。半導体輸出部門で赤信号が消えないならば、輸出不振と貿易赤字からの脱出は容易でない。

 サムスン電子の第1四半期(1~3月)暫定実績発表以外にも、最近は半導体業況不振の行く先を占う指標が相次いで出てきた。世界首位の半導体委託生産企業であるTSMCは11日(現地時間)、4年ぶりに月間売上が前年同期に比べて減少した3月の実績を発表した。先月の売上は1454億1千万台湾ドル(約6340億円)で、2022年3月より15.4%減少した。市場アナリストたちは、同社の主要顧客である米国アップルのコンピューター「Mac」の出荷量が減ったためと分析した。実際、一日前の10日、市場調査機関IDCはアップルの1~3月のパソコン(PC)出荷量が前年同期比で40.5%急減したとの調査結果を出した。同社は、グローバルPC出荷量も同期間に29%減少したと推算した。

 売れずに倉庫に積みあがる半導体は増えている。韓国産業研究院の産業統計分析システムによると、韓国国内の企業の半導体在庫指数は2月基準で210.2を突破し、史上最高値を記録した。新型コロナの影響で家電製品やIT製品が多く売れ、半導体需要が高かった2021年6月(77)に比べれば3倍ほどに膨らんだ。2月基準で78.2となり、2021年6月の127.6に比べて大幅に下落した半導体生産指数も、半導体業界が在庫費用を減らすために早くも生産量の削減に入った事実を如実に示している。半導体の在庫・生産指数とは、毎月の在庫・生産量を2015年(100)を基準にその増減を比較できるよう整理した指数だ。

 半導体メーカーの減産が業況改善を早期に引き出すかは未知数だ。主要輸出国である中国の経済が「ゼロコロナ」政策などで鈍化した後、以前ほど回復できずにいる。また、米国と中国の戦略摩擦の中で、中国が主要なサプライチェーンに対する自主調達を強化していることにも注目しなければならない。国際金融センターの資料によれば、中国の半導体製造用装備の国産化率は、2021年の21%から2022年には32%に上昇した。中国政府の半導体支援基金を分野別に分析してみると、韓国の主力分野であるメモリーやファウンドリに67%が集中している。構造的な半導体の中国向け輸出の減少が懸念される。

 ただ、全世界の人工知能(AI)サービス拡大で半導体需要が増加することが業況の回復を早める好材料になるだろうとの展望もある。匿名を要請した半導体メーカーの関係者は「半導体は4年周期で好況と不況を繰り返す『オリンピックサイクル産業』という分析もあるが、2000年に入ってノートパソコン需要が増加したり、2010年代初めにスマートフォンが普及するなど、変化要因がある時に不規則な好況を享受した時もあった」と話した。

オク・キウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1087697.html韓国語原文入力:2023-04-13 10:23
訳J.S

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