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サムスン「半導体の人為的減産はしない」…SKハイニックスに直撃弾

登録:2023-03-27 20:45 修正:2023-03-28 09:07
3月のワークショップでもこれまでの政策を維持 
収益性の悪化で「出血」の恐れにも 
イ・ジェヨン会長、政策固守の方針
半導体ウェハー/聯合ニュース

 サムスン電子は、メモリー半導体需要の持続的減少にともなう収益性悪化にも「人為的減産はしない」という基調を維持することにした。サムスン電子のイ・ジェヨン会長が最近、キョン・ゲヒョンDS部門長(社長)など半導体事業部の首脳部とワークショップを開き、このように決定した。

 サムスン電子が26日明らかにしたところによると、イ会長、キョン社長、イ・ジョンベ メモリー事業部長(社長)は20日、ソウルの瑞草社屋でワークショップを開いた。この場で事業部の一部は減産の必要性を提起したが、イ会長が減産はしない方向を決めたという。ただし、4月初めに第1四半期の暫定実績を発表する企業説明会(IR)に先立ち、再びワークショップを開く可能性が高く、人為的減産はしないという基調が変わる可能性も開かれている。サムスン電子は、今年に入って工程転換による自然的・技術的減産は進めている。

 昨年下半期から成長傾向が衰えたメモリー半導体市場は、今年に入ってさらに悪化している。SKハイニックスとマイクロンの2・3位企業は、昨年から損失を減らし市況反騰時期を繰り上げるために、投資縮小と減産に突入した。一方、サムスン電子は1月のワークショップで人為的減産を検討したが、減産しないことにした。2月に続いて開かれた3月のワークショップでもこうした政策基調を固守した。

 業績も悪化している。サムスン電子・SKハイニックスの今年第1四半期の実績展望値は、四半期末が迫るにつれますます下がった。FNガイドによるとこの日、サムスン電子の第1四半期の営業利益見通しは1兆5千億ウォン(約1500億円)にとどまり、SKハイニックスの営業赤字は3兆5千億ウォン(約3500億円)にのぼる。1カ月前の見通しに比べ、サムスン電子の営業利益は1兆ウォン(約1000億円)ほど減り、SKハイニックスは営業赤字が1兆ウォン(約1000億円)ほど増えた。

 今月末、サムスン電子とSKハイニックスのDRAMとNAND型フラッシュの在庫水準は、正常値(3.5週)を大きく上回る15週以上(新韓投資証券)で、限界に達しているという。それでもサムスン電子が「減産せず」を維持することを選んだのは、出血に耐えながら競争力の維持と後発走者の追撃をかわすためとみられる。信栄証券は、サムスン電子の半導体部門が第1四半期の4兆1千億ウォン(約4100億円)の赤字を皮切りに、第2四半期(-3兆2千億ウォン)、第3四半期(-1千億ウォン)にも赤字が続くだろうと予想した。減産しないという基調を続ければ、赤字のトンネルはさらに長期化しかねない。

 SKハイニックスは文字通り「尻に火がついた」状況になった。昨年第4四半期からすでに営業赤字に突入した状況で、サムスン電子が減産に参加せず、黒字への転換時期がさらに遠のく可能性が高まったためだ。ややもすると2000年代の半導体メーカー間の「チキンゲーム」が再発し、役員・社員の減員、給与削減などが再現される恐れすらある。さらに、スマートフォン・家電など他の売上先があるサムスン電子とは異なり、SKハイニックスはもっぱら半導体の売上のみに依存しているため、市場状況にともなう影響をより強く受ける。産業研究院のキョン・ヒグォン副研究委員は「サムスン電子が減産しなければ、2・3位メーカーであるSKハイニックスとマイクロンはさらに悪影響を受けるだろう」とし「それでもマイクロンは資金源が強固なため、SKハイニックスが最も大きな被害を受ける恐れがある」と話した。

イ・ジョンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1085259.html韓国語原文入力:2023-03-2714:50
訳J.S

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