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ウォン急落で1ドル=1320ウォン台…米国の物価指標の衝撃でゆらぐ市場

登録:2023-02-28 10:34 修正:2023-02-28 12:26
27日、ソウル明洞のハナ銀行本店でスタッフが証券市場や為替レートをモニタリングしている/聯合ニュース

 1ドルあたりウォン相場が1320ウォンを再び突破するなど、米国の物価指標の衝撃で韓国の外国為替市場が揺らいだ。

 27日、ソウル外国為替市場での対ドルウォン相場は、前取引日よりウォン安ドル高が18.20ウォン進んだ1ドル=1323.00ウォンで取引を終えた。今年の取引中最高値の2月2日(1ドル=1216.40ウォン)に比べると、ドルは約1カ月で106.6ウォン(8.76%)の上昇。ウォン相場が取引中1320ウォンを突破したのは昨年12月8日(取引中1ドル=1323.30ウォン)以来だ。

 この日のウォンの急落は、25日(現地時間)に発表された米国の1月の個人消費支出(PCE)物価指数で世界的なドル高が再び弾みをつけ、ウォン安の流れを刺激した影響と分析される。1月の米国のPCE物価指数は、総合とコア指数(食品およびエネルギーを除く指数)がそれぞれ前年同月比5.3%、4.7%上昇し、市場の予想値を大きく上回った。

 国際外国為替市場では、インフレ抑制のための米連邦準備制度理事会(FRB)の追加の政策金利引き上げサイクルが長期化する可能性が浮上し、ドル高傾向が示されている。ドルインデックス(主要6カ国の通貨に対するドルの価値)は25日に105.214で、前週に比べ1.3%上昇した。

 NH先物研究員のキム・スンヒョク氏は、「FRBが通貨政策を決定する際に物価の基準とするPCE指数が急騰し、リスクヘッジ心理がアジアの外国為替市場でウォン安を引っ張っている」と述べた。米の金融引き締めの長期化に対する懸念を受け、外国人投資家らが韓国の証券市場で売り越しに向かっていることも、外国為替市場でのウォン売りの増加(ウォン安ドル高)をけん引した。この日、KOSPIは前取引日比20.97(-0.87%)下落した2402.64で取引を終えた。KOSPIで外国人投資家はこの日3249億ウォン分の売り越しを記録した。

 世界的なドル高の影響で、円相場は25日、1ドル=136円と大幅安となり、人民元相場も再び1ドル=7元水準に迫るなど人民元安も続いている。市場では、外国為替当局の市場への口頭介入などの微細調整(スムージングオペレーション)にもかかわらず、ドル高、ウォンと同調性の高い人民元および円の下落現象、23日の韓国銀行の政策金利凍結などが、ウォンの価値をさらに下げているという分析が出ている。

 米国の2年物国債金利は、1月のPCE物価指数発表後の25日、年4.8136%まで上昇した。FRBの追加の政策金利引き上げが6月までに0.25ポイントずつ3回続き、「ビッグステップ」(一度に0.50ポイント利上げ)に再び転換される可能性まで反映しているということだ。

チョ・ゲワン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1081377.html韓国語原文入力:2023-02-27 16:52
訳C.M

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