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現代重工業・大宇造船の合併が危機に…「EU、不許可の見通し」

登録:2021-12-13 08:16 修正:2021-12-13 10:31
現代重工業提供//ハンギョレ新聞社

 欧州の独占禁止当局が、現代重工業による大宇造船海洋の買収を許可しないことが明らかになった。

 12日のロイターの報道によると、欧州連合の欧州委員会(EC)は現代重工業による大宇造船海洋の買収に対して企業結合禁止命令を下す見込みだという。ロイターは「(現代重工業と大宇造船海洋が)競争制限に対する懸念を払拭できる是正案を提示するのを拒否し、EUの『拒否権』行使を目前にしている」と報道した。

 現代重工業は、締め切り期限である7日になっても、欧州委に是正案を提出しなかった。欧州委の企業結合審査制度は、企業が自ら提出した是正案をもとに運営される。会社が是正案を提示しない場合、当局は一方的に是正措置を課すことはできない。これに対して欧州委は、提出された是正案を検討した後、条件付き承認などを下す形で進めていく。ただし、企業が是正案を出さなかったり、提出した是正案が競争制限性を解消するのには不十分であると判断される場合、EUが禁止命令を下すこともできる。

 欧州を含む全世界の主な独占禁止当局は、特にLNG運搬船市場の独占・寡占の深化を懸念してきた。今回の企業結合が行われるとなると、既存の3強体制が2強体制に再編されることになる。この懸念を根本的に解消するためには、株式の売却など構造的な措置が含まれていなければならないが、現代重工業は構造的な措置は選択肢ではないという判断により、是正案を提出しないものと伝えられた。

 現代重工業グループは2019年3月、大宇造船海洋の最大株主である産業銀行から大宇造船海洋を買収する契約を結んだ。欧州委は同年末、審査を始めたが、コロナ禍などの要因のため、数回延期した経緯がある。今回、最終的に禁止命令が下されるとなると、これは、2019年以後では欧州委による初の禁止命令となる。欧州委は2019年、企業結合3件に禁止命令を下したが、いずれも企業が是正案を提出したが欧州委が不十分だと判断したケースだ。現代重工業による大宇造船海洋の買収は、韓国の公正取引委員会でも審査が進行中だ。

 現代重工業側は「造船市場は単にシェアだけで支配力を評価するのは不可能であり、特定の企業による独占が難しい構造であるため承認が妥当だと判断され、このために最善を尽くす」と明らかにした。

イ・ジェヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1022939.html韓国語原文入力:2021-12-13 02:34
訳M.S

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