サムスンやLGなどがテレビとスマートフォン用に開発し適用している、いわゆる「画面から音が出る」スピーカー一体型ディスプレイ技術の新規国際標準化が進められている。国家技術標準院は13日、スピーカー内臓有機EL(OLED)ディスプレイを国家標準(KS)に14日に制定すると発表した。テレビとスマートフォンに適用されるスピーカー一体型ディスプレイの音響性能測定方法2種を制定告示する。これに先立ち、先月には国際標準化機構IEC(国際電気技術委員会)でテレビ用スピーカー一体型ディスプレイの新規作業標準案提案(NP)が採択されるなど、国際標準の先取りも進めている。国際標準手続きは制定完了まで通常3~4年かかる。
スピーカー一体型ディスプレイはディスプレイ画面自体が振動板の役割を果たし、直接音を鳴らす技術だ。テレビに適用すれば、スピーカーを搭載するための空間を内部に設ける必要がなくなり、これまでにない薄さが実現できる。また視聴者の視線方向から声が聞こえるため、現実と同じように視覚と聴覚が一致する臨場感も感じることができる。スマートフォンでは厚さとベゼルの大きさを最小化し、画面上段にスピーカーホールを別途に作らなくても済むため、デザインの革新が期待できる。また、通話の際も、空気を通じた音の伝達だけでなく、骨伝導も可能であるため、より明瞭な音質を楽しめる。
スピーカー一体型ディスプレイで音響性能を具現化するためには、薄い画面が欠かせないため、単層構造を持つOLEDディスプレイに適用できる。韓国はOLEDの世界市場で90%(2019年基準)のシェアを誇っており、スピーカー一体型ディスプレイの技術でOLED市場の地位をさらに固めるものと見られる。LGディスプレイはテレビ用スピーカー一体型ディスプレイを2017年世界家電展示会(CES)で公開して以来、世界市場を徐々に拡大しており、サムスンディスプレイはスマートフォン用スピーカー一体型ディスプレイの開発を終えた。