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貧困層にさらに過酷な新型コロナ…勤労所得の減少率「上位20%の4.5倍」

登録:2020-08-20 23:50 修正:2020-08-21 17:45
統計庁の第2四半期の家計動向調査 
 
第1階級の勤労所得は18%減少したが… 
第5階級の減少率は4%に過ぎず 
 
災害支援金、所得格差減少効果 
ホン副首相「新型コロナによる衝撃を緩和」 
専門家「選別支給した場合はより大きな効果」 
政界では「第2次災害支援金が必要」
上から第2四半期における五分位階級別の月平均所得と支出(単位:ウォン、資料:統計庁)と第2四半期における等価可処分所得の五分位倍率(単位:倍、資料:統計庁)//ハンギョレ新聞社

 統計庁が20日に発表した「第2四半期の家計動向調査」によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による急激な景気萎縮の中、緊急災害支援金の支給など韓国政府の政策対応が肯定的な効果を発揮したことが確認できる。勤労・事業・財産所得など市場所得はすべて減ったが、公的移転所得を大幅に拡大し、全体所得の減少を防ぐと共に、所得格差も緩和した。ただし、最近再びCOVID-19の感染拡大が急速に進む中、第3四半期の景気回復の勢いが衰え、緊急災害支援金も一時的な効果にとどまる可能性もあるものと見られる。今後、脆弱階層(低所得層や就職が困難な層)を中心に追加の現金支援などを含め、よりきめ細かな政策対応を求める声が上がっているのもそのためだ。

 第2四半期に全国世帯の勤労所得(-5.3%)や事業所得(-4.6%)、財産所得(-11.7%)などの所得がすべて減ったにもかかわらず、全体所得(527万2千ウォン)が昨年より4.8%増えたのは、緊急災害支援金を含めた公的移転所得のおかげだ。昨年第2四半期に34万1千ウォン(約3万円)だった月平均の公的移転所得は、今回は77万7千ウォン(約7万円)に2倍以上に増えた。第1階級(所得下位20%)世帯の場合、月平均の公的移転所得が83万3千ウォン(約7万4千円)で、月平均所得(177万7千ウォン)のほぼ半分に達した。

 公的移転所得の増加は所得格差の減少につながった。実際、COVID-19は低所得層に集中的な打撃を与えた。第1階級世帯の月平均勤労所得は48万5千ウォン(約4万3千円)で、1年前より18.0%も減少したが、第5階級(上位20%)世帯の勤労所得減少率は4.0%だった。第1階級世帯の月平均事業所得も26万3千ウォン(約2万3千円)で、1年前より15.9%も減少したが、第5階級世帯の事業所得は175万9千ウォンで2.4%減に止まった。

 災害支援金を含めた公的移転所得はこのような流れを変えた。月平均所得は、第1階級の世帯が177万7千ウォン(約15万8千円)で、昨年より8.9%増えた反面、第5階級の世帯所得は1003万8千ウォン(約90万円)で、2.6%増に止まった。その結果、分配指標である「等価可処分所得の五分位倍率」も改善された。等価可処分所得の五分位倍率とは、世帯員数別に分けた可処分所得を第1階級と第5階級との対比で比較する指標だ。数値が上がれば再分配の悪化を、下げれば改善を意味する。第2四半期の等価可処分所得の五分位倍率は4.23倍で、昨年第2四半期の4.58倍より0.35倍ポイント減少した。一方、公的移転所得を除いた市場所得(勤労所得+事業所得+財産所得+私的移転所得)基準の五分位倍率は今年8.42倍で、1年前の7.04倍より大きく上がった。

 これを受け、ホン・ナムギ副首相兼企画財政部長官は関係長官会議で、「いつになく雇用・実体経済への衝撃が大きい中で、分配指標が改善されたのには、政府の果敢かつ迅速な政策対応が大きく寄与した」とし、「緊急災害支援金や消費クーポンなどを通じて低所得層を中心にCOVID-19によって減少した所得を補った」と述べた。

 ただし、緊急災難支援金を全国民ではなく、脆弱階層を中心に選別して支給し、政策の効果をさらに高めるべきだったという指摘もある。チェ・ハンス慶北大学教授(経済通商学部)は「世帯所得が増えたのは緊急災害支援金の効果を示している」としながらも、「全世帯に世帯の人数に比例して支給し、単身世帯の多い低所得層や高齢者世帯が所得に比べて相対的に少なくもらう所得逆進的な結果が出た」と指摘した。また「COVID-19の再拡散によっては追加で全員に対する緊急災害支援金支給を求める声が上がる可能性もあるが、それを実行できる財政余力が十分なのか疑問」だと指摘した。ウ・ソクジン明知大学教授(経済学)は「緊急災害支援金で所得格差が一時的に緩和されたが、選別支給を行えばもっと大きな効果があったはず」だとしながらも、「当時、緊急に支給する必要があったため、普遍支給したが、もし今後にまた支給することになれば、選別支給方式の方が良い」と述べた。

 一方、同日、国会では追加の災害支援金を要求する声があがっている。共に民主党の党代表候補のパク・チュミン議員は、「第2次災害支援金が必要だ」と述べ、党代表選挙のライバルであるイ・ナギョン前首相に、この問題について議論することを提案した。シム・サンジョン正義党代表とヨン・ヘイン基本所得党議員も第2次災害支援金の支給を政府に求めた。

イ・ジョンフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/958689.html韓国語原文入力:2020-08-20 21:36
訳H.J

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