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[記者手帳]マヒンドラの狙い

登録:2020-01-24 06:20 修正:2020-01-24 12:25

 双龍(サンヨン)自動車の大株主であるインドのマヒンドラ・グループのパワン・ゴエンカ社長が先週、国策銀行であるKDB産業銀行(産銀)と政府関係者に幅広く会って資金支援を要請して帰った。彼の訪韓日程の中で注目を引いたのは二つだ。一つはイ・ドンゴル産銀会長との面談で、もう一つはイ・モクヒ雇用委員会副委員長との会合だ。産銀は双龍自動車のメインバンクだ。去年、施設資金として1900億ウォン(約180億円)を融資し、このうちの900億ウォン(約84億円)の満期が7月に来る。マヒンドラの関心事は当然、満期延長と追加融資のような財務的問題だったはずだ。

 ところで大統領が委員長を務める雇用委員会のイ副委員長とはなぜ会ったのだろうか?累積赤字で経営難に陥っている双龍自動車の最大株主と大統領直属の雇用機構の責任者の接触を巡り、様々な憶測の話が回る。現在、双龍自動車の3つの生産ラインのうち、組み立て2ラインは昨年末に稼動中断された状態だ。生産量が落ちたからだ。このラインを中国業者に賃貸していわゆる「半額労働者」として電気自動車を委託生産する案が会社の内外で議論されている。「光州(クァンジュ)型雇用」や「群山(クンサン)型雇用」を連想にする、いわゆる「平沢(ピョンテク)型雇用」が議論されている。自治体と企業が試そうとする共存型地域雇用事業は、当初はマヒンドラの関心事ではなかった。共存型地域雇用は、自治体が「労・使・民・政協約」を土台に適正賃金と投資・雇用規模などを設定して申請すれば、雇用委員会が審議・選定して各種の優待恩恵を与える制度だ。現政府の主要政策の中の一つで、雇用委員会はその主務機構だ。政府は双龍自動車にもこのようなモデルを適用して支援する案を検討中だという。

 もしマヒンドラがこのような政府の関心事を聞き入れ、政府が支援をするのなら、これは最初のボタンを掛け違えることだ。外資が雇用を人質にして公的資金の支援要請を繰り返す状況で、政府がその雇用を名目に“駆け引き”する前例を残すからだ。

 ゴエンカ社長は今回の訪韓で双龍自動車の「2023年黒字転換」とマヒンドラの「2300億ウォン(約220億円)直接投資」に言及したが、これも産銀の支援を前提とする条件付き投資・計画でしかない。マヒンドラは2011年に双龍自動車の持ち分72.85%を5500億ウォン(約510億円)で引き受けた後、2回の有償増資を通じて1300億ウォン(約120億円)を投資したのが全部だ。双龍自動車がこの状況になっても大株主として責任のある努力をしたと見るのは難しい。マヒンドラがギブ・アンド・テイク式の取引を念頭に置いているのであれば、政府としては再考するのが当然だ。その際に国民の血税が投入された外資系企業に対する管理や監督を政府が尽くしているかも入念に確かめてみなければならない。

 双龍自動車は今年の定年退職者52人の欠員席を埋めるために、他の部署から代替人材を募集することにした。その席に復職予定者46人を投入すればいいのに、それを敢えて社内公募で満たすということだ。空席があるにも関わらず復職予定者を現場に配置しないのをどう見るべきだろうか? 今後進められる政府との交渉を見て、復職予定者の部署配置を検討するという意図ではないかと疑問に感じる。

 自動車産業は生産・雇用誘発効果と周囲への経済波及力が大きい。現在の国内車産業は大きな困難に直面している。年間車生産量は10年ぶりに400万台を割り、雇用も危なくなったのが現実だ。雇用問題は総選挙を控えた政府としては最も敏感な問題の中一つだ。マヒンドラは選挙を控えた時期、政府の最も鋭敏な所を掘り下げた。地方選挙を控えた2018年2月の群山工場閉鎖と撤収カードで政府を圧迫したGMの態度と妙に重なる。マヒンドラの狙いに政府はくれぐれも軽々しく応じないでほしい。双龍自動車は活かさなければならないが、不良の原因と責任、正常化計画を綿密に問い詰めた後に大株主の責任を尽くすようにするのが順序だ。マヒンドラは政府との交渉で10年待っていた復職待機者をカードに活用する魂胆でなければ、今すぐ復職の約束を守らなければならない。

//ハンギョレ新聞社

ホン・デソン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/economy/car/925625.html韓国語原文入力:2020-01-23 19:32
訳M.S

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