本文に移動
全体  > 経済

昨年2.7%成長…韓国銀行「一人当たり国民所得3万ドル台に突入」

登録:2019-01-23 10:00 修正:2019-01-23 15:44
6年ぶりの最低値…「潜在成長率レベル」 
政府の財政支出のおかげで第4四半期に1%反騰 
輸出の減少傾向で今年の成長の展望は曇り
韓国国内総生産(GDP)成長率推移=資料:韓国銀行(前年比)//ハンギョレ新聞社

 昨年、韓国経済は2.7%成長した。2012年(2.3%)以降6年ぶりに最低値だが、既存の展望に合致する潜在成長率レベルの成長を成し遂げたと韓国銀行は評価した。政府の財政投入などによって昨年第4四半期に1%の“サプライズ成長”をした効果が大きかった。

 韓国銀行は22日、「2018年第4四半期および年間国内総生産(速報)」を発表し、「昨年実質国内総生産(GDP)は前年より2.7%成長した」と発表した。政府消費と輸出が前年より5.6%、4%ずつ増加し、成長をけん引した。政府消費は2007年(6.1%)以降、輸出は2013年(4.3%)以降最大幅の増加を見せた。国内総生産で占める割合が半分に迫る民間消費は、2011年(2.9%)以後最大の2.8%増えた。ただし、建設投資(-4%)と設備投資(-1.7%)は減少傾向を見せた。

国内総生産(GDP)支出項目別成長率推移//ハンギョレ新聞社

 韓国銀行のパク・ヤンス経済統計局長は「(政府消費の増加は)景気が悪化したときに政府が財政支出を増やして景気萎縮を緩和する『財政の景気安定化機能』が作動したものとみられる」とし、「特に地方政府が7月に発足して組織を整備し、第4四半期に集中して財政が執行されたが、(地方政府の財政執行が相対的に低調だった)第3四半期と4四半期を平均してみると、当初予想していた潜在成長率付近で成長が行われたと考えられる」と説明した。潜在成長率とは、一国の資本や労働などを動員して物価上昇を誘発せずに達成できる最大成長率を指す。

 経済活動別では、建設業(-4.2%)が減少に転じたが、国内総生産の29%、53%を占める製造業とサービス業はそれぞれ3.6%、2.8%成長した。サービス業の中では、保健医療および社会福祉サービス(7.4%)、金融・保険業(4.9%)、公共行政および国防(3.5%)分野が相対的に高い成長率を見せた。昨年の実質国内総所得(GDI)成長率は、原油価格の上昇など貿易条件の悪化によって10年ぶりに最低の1.1%にとどまった。

 昨年第4四半期には予想外の反騰があった。2四半期連続で減少傾向を見せた建設投資(1.2%)と設備投資(3.8%)の増加率がプラスに転じ、政府消費が2010年第1四半期(3.4%)以後最大の3.1%増え、前期に比べ1%成長した。昨年第2~第3四半期の前期比成長率がそれぞれ0.6%で、これまで成長を牽引してきた輸出が第4四半期に減少傾向に転じた点を考慮すれば、かなり良好ということだ。パク局長は「建設投資と設備投資が2017年に大きく増え、2018年には調整を経たが、下半期に入って調整速度が緩やかになったとみられる」とし「民間消費も前期比1%増加したが、健康保険の保障性拡大で医療サービス分野が成長し、週52時間導入などによる『ワーク・ライフ・バランス』文化の拡散で文化サービスの利用も増えたものとみられる」と説明した。

 しかし、前年度の第4四半期から昨年は第3四半期に移った秋夕(中秋節)連休の効果と、地方政府の財政執行の年末偏りなどを考慮すれば、第4四半期の“サプライズ成長”は1回限りのものに止まる可能性が高い。これまで成長をけん引してきた輸出が年初から10%以上減少傾向を示している点も、今年の成長展望を暗くしている。韓銀は「名目国内総生産が集計されておらず、正確な数値はもう少し待たなければならないが、昨年1人当りの国民総所得は3万1000ドルを超えたとみられる」と話した。

イ・スンヒョク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/879455.html韓国語原文入力:2019-01-22 21:05
訳M.C

関連記事