10日に開かれた1回かぎりの上場適格性審議で、直ちに「上場維持」の決定が下されたサムスンバイオロジックス(サムスンバイオ)上場廃止の可否をめぐる審査に、サムスンバイオが事前に提出した改善計画書が大きな影響を与えたものと見られる。
韓国取引所関係者は11日、「前日、上場維持決定を下した外部企業審査委員会委員名簿(計7人)は公開できない」とし、「企業審査委第1回会議で直ちに結論を下したが、これまで取引所がサムスンバイオ側と数回にわたって改善計画書に書かれる内容を話し合い、その内容を審査委に提出・討議した」と明らかにした。通常の手続き上、上場銘柄に対する上場適格性実質審査は、該当企業から改善計画書を事前に受け取り、審査委員会に提出・検討する方式で行われる。取引所側は「企業から企業の継続性、財務の安定性、経営の透明性などに対する関連書類を提出してもらう過程で、不合理かつ不適切な内容が見つかれば、こうした弱点をどのように直すかを改善計画書に書かせると共に、該当企業が独自に提出した改善計画にプラスアルファで加えるべきことがあると取引所が判断すれば、その追加内容を改善案に盛り込むよう積極的に要求することもある」と明らかにした。
取引所側は「サムスンバイオが提出した改善計画書の内容とその改善案の実行可能性まで審査委員らが総合的に検討する方式で審査した」とし、「それでも適格性に顕著な欠如があると判断されれば、上場廃止の方向に意見が出てくる可能性がある」と述べた。今回の上場維持決定は、審査委員間の採決または満場一致の方式で行われたものではない。取引所側は「上場廃止を主張した委員も、サムスンと利害関係を持った委員もいなかった」とし、「KOSDAQと異なり、有価証券市場の適格性審査は、審査委員らが議決する方式ではなく、審議・諮問する性格にすぎず、社会的な波紋が大きい事案であるだけに、専門家たちの意見を聞く席だった」と説明した。上場維持という最終決定は審査会の内容を「総合的に反映し尊重し」、取引所側が下したということだ。
さらに取引所側は「財務安定性を判断する際、最悪の場合、(証券先物委員会が故意の粉飾会計で議決した)4兆5千億ウォン(約4500億円)をすべて財務諸表に反映しても、資本現況はプラスとなり、債務不履行の恐れもほとんどない。ただし、経営の透明性が不十分で、改善計画の履行を点検する方向で上場維持決定を下した」とし、「サムスンバイオ側が提起した行政訴訟の結果が出るには数年かかるだろうし、市場が(投資家が)あり、不確実性もあるため」早期に決定を下したと説明した。取引所は今後3年間、半期ごとに改善計画の履行がされているかどうかを点検する予定だ。取引所関係者は「サムスンバイオが改善計画をきちんと履行しなければ、不誠実公示法人に指定し、適格性実質審査調査に再び入る可能性があるという内容を、サムスンバイオから文書で確認してもらった」と話した。