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金融監督院、「サムスンバイオの粉飾会計の核心にはサムスン物産がある」

登録:2018-11-16 06:37 修正:2018-11-16 07:10
証券先物委員会提出の審議資料によると  
粉飾の出発点はサムスン物産の合併過程 
 
第一毛織の価値水増ししたことが確認されれば 
イ・ジェヨン副会長の最高裁裁判にも影響 
「特別監理と共に検察捜査が急がれる」
サムスンバイオロジックスの粉飾会計//ハンギョレ新聞社

 サムスンバイオロジックス(サムスンバイオ)の粉飾会計問題が、グループの中核系列会社のサムスン物産に広がっている。証券先物委員会(証先委)がサムスンバイオの2015年会計処理を故意の粉飾会計と判定して検察に告発したことで、会計が繋がっている親会社のサムスン物産の帳簿まで調査の対象になる可能性が出てきた。すでに証先委はサムスン物産に対する特別監理も検討していると明らかにしており、検察も今回公開されたサムスンバイオの内部文書に関心を持っている。サムスン物産と第一毛織の合併直前に作成された第一毛織の企業価値報告書も、価値が過大評価されたことが確認された場合は、合併過程に問題はなかったかをめぐって争っているサムスン電子のイ・ジェヨン副会長の最高裁裁判にも影響を及ぼしかねない。

 15日、ハンギョレが金融監督院が証先委員会に提出した審議資料を確認した結果、金融監督院もサムスンバイオだけでなく、サムスン物産にまで遡って調査する必要があると判断したことが明らかになった。金融監督院は、サムスンバイオがサムスンバイオエピスの株式を市場価値で任意評価し、4兆5千億ウォン(約4500億円)の会計上の利益を得た経緯を分析し、その頂点にサムスン物産があると見ている。

 審議資料には「(2015年5月)サムスン物産の合併過程で、コールオプション効果の記載漏れなどで、第一毛織が保有するサムスンバイオ株式の価値が過大評価されており、(2015年9月の合併完了を前後して)サムスン物産は2015年第3四半期の報告書で、コールオプションの負債を記載しなかった」と明記されている。しかし、合併の過程でコールオプションを確認した会計法人が「エピスのコールオプションを会計上の負債として反映すべきだ」と主張し、サムスンバイオは負債計上による資本欠損を回避するため、様々な代案を模索した。この過程で「決算の際、2014年12月31日基準のコールオプション評価不能意見書を急造」したり、「バイオジェンのコールオプション早期行使拒否によってエピスのナスダック上場が失敗した事実などを隠蔽」しようとしたことが、調査の結果明らかになった。

 金融監督院が把握した粉飾会計の出発点は、他ならぬサムスン物産の合併過程だったわけだ。しかし、同委員会は14日、審議結果を発表する際、粉飾会計の動機までは判断しなかったと線を引いた。キム・ヨンボム証先委員長(金融委員会副委員長)は「今回の監理では2015年末に財務諸表を確定するための会計処理が適正かどうかを重点的に行った」とだけ述べた。

 ただし、証先委はサムスン物産の会計まで調べる余地を残した。キム・ヨンボム委員長は「証先委の決定(粉飾会計された部分を除外すべき)によってサムスンバイオの財務諸表が修正され、サムスンバイオの親会社であるサムスン物産の財務諸表にも多少の変化が生じる可能性がある。その内容を綿密に分析し、サムスン物産に対する監理の必要性などについて、後日検討する」と述べた。外部監査や会計などに関する規定によると、サムスンバイオは措置案を通知された日から1カ月以内に、財務諸表を修正しなければならない。

 参与連帯は「統合サムスン物産は合併当時、第一毛織株価の適正性を確保するため、サムスンバイオの価値を目標水準(6兆9千億ウォン)に合せており、これはサムスン物産を安値で買収したという痕跡を適切に隠す数値だった」だとし、「直ちにサムスン物産に対する監理に着手する必要がある」と主張した。

 検察が速やかに捜査に乗り出すべきという指摘もある。サムスンバイオ会計問題に詳しいある会計業界関係者は「今回の粉飾会計は合併過程で便法や違法行為があったかどうかまで立証するものではない」とし、「事後合理化のために粉飾会計をしたなら、以前にも問題があったということだ。これは検察捜査で確認しなければならない」と話した。シム・サンジョン正義党議員も同日、国会政論館で記者会見を開き、「今回の決定を維持するため、金融当局が積極的な役割を果たさなければならず、サムスン物産と第一毛織の合併処理の過程で、故意の粉飾会計がどのように利用されたかについて、徹底した捜査が必要だ」と主張した。

 金融監督院の判断が検察の捜査につながった場合、大きな波紋が予想される。イ・ジェヨン副会長裁判のほかにも、「サムスン物産と第一毛織の合併の無効化」を求める訴訟も進められている。不公正な合併比率で損害を被ったと主張するサムスン物産の株主、日盛新薬が提起した訴訟で、昨年8月の1審で敗訴したが、2審が進行中だ。捜査を通じて、サムスン物産と第一毛織の合併過程で、親会社の第一毛織の企業価値を水増しするための作業などが確認されれば、裁判の結果は予測できなくなる。啓明大学のソン・ヒョク教授(会計学)は「サムスンバイオの株式を過大評価したのが、第一毛織の合併比率と関連があるという内部文書が存在しており、こうした部分をサムスン物産の監理を通じて明らかにしなければならない」と指摘した。同日、子会社のサムスンバイオ株式が取引中止になったことを受けて、サムスン物産の株価は前日より2.37%下がった10万3000ウォン(約1万300円)で取引を終えた。取引時間中に一時は9万9400ウォン(-5.78%)まで値下がりし、52週ぶりに新安値を更新した。

イ・ワン、ペク・スジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/870475.html韓国語原文入力:2018-11-16 05:01
訳H.J

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