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チェ・ジョング金融委員長、サムスン物産に対する監理要求に「一理ある」

登録:2018-11-08 09:31 修正:2018-11-08 13:00
サムスンバイオの粉飾決算の“根幹”疑惑 
物産合併などグループの支配構造にまで拡大
チェ・ジョング金融委員長が7日、国会で開かれた予算決算特別委員会の全体会議で委員の質疑に答えている//ハンギョレ新聞社

 サムスン物産と第一毛織の合併を実現させるため、サムスンバイオロジクス(サムスンバイオ)の価値が膨らませられたという疑惑が広がっている中、サムスングループの持株会社格であるサムスン物産の統合過程が故意の粉飾決算の“根幹”だと名指しされた。金融当局もサムスン物産に対する監理の必要性を明らかにし、サムスンバイオの粉飾決算議論が合併の正当性などグループの支配構造にまで拡大している。

 チェ・ジョング金融委員長は7日、国会予算決算特別委員会で、サムスンバイオの粉飾決算が親会社であるサムスン物産の合併過程と関連があることが内部文書を通じて明らかになっただけに、サムスン物産に対する監理に着手すべきだという共に民主党のパク・ヨンジン議員の指摘に対し、「一理ある」と述べた。チェ・ジョング委員長は「監理が行われるかどうかは金融監督院と証券先物委員会が判断する問題だ」と付け加えた。

 この日、パク議員はサムスンバイオ粉飾決算事件を再審議中の証券先物委員会に報告された会社の内部文書を公開した。追加で公開された同文書でも、サムスンバイオ粉飾決算の疑いがサムスン物産と第一毛織の合併と関連があることが分かった。2015年8月12日、サムスンバイオ財政経済チームが作成した同文書によると、「(バイオジェンのコール)オプション効果の反映による株式価値の下落効果を割引率の調整で相殺し、3.3兆ウォンと評価算定する予定」と記録されている。これを受け、14.5%の割引率をサムスンバイオは8.9%に、サムスンバイオエピスは11.4%に修正するとした。これは現在の価値を変化させずに割引率を任意に変える「故意の粉飾決算」を通じて、合併の過程で高く評価されたサムスンバイオの価値を守ろうとしたとみられる。割引率は、未来時点の一定金額と同一の価値を持つ現時点の金額(現在価値)を計算するために適用する比率で、投資価値の評価などに広く活用される。

 実際、この文書に記された「バイオ株式価値評価による影響」の部分は、割引率の変更の理由を示している。サムスンバイオの価値が低く評価される場合、合併比率の争点が浮上する点が短所だとサムスン側は分析した。合併比率の問題が浮き彫りになれば、サムスン物産の株価が下落する問題が生じ、合併の正当性をめぐる議論が起きかねないだけに、事後対応が必要だと判断したのだ。

 これまで参与連帯や経済改革連帯などの市民団体は、サムスンバイオの粉飾決算や旧サムスン物産の株価操作疑惑がサムスン物産と第一毛織の合併と関連があるという主張を提起してきた。サムスンバイオの価値を膨らませ、親会社である第一毛織と第一毛織の最大株主であるイ・ジェヨン・サムスン電子副会長らトップ一家が有利な合併比率を受けられるようにしたという主張だ。このような疑惑の提起により、金融監督院は2017年にサムスンバイオに対する特別監査に入り、今年5月に故意の粉飾決算という結論を下した。証券先物委員会に上程された金融監督院の監理結果は、サムスン物産と第一毛織の合併との関連には触れず、サムスンバイオの会計処理問題に限定された。

 しかし、内部文書の公開によって、サムスンバイオ粉飾決算事件はサムスングループの持株会社に当たるサムスン物産の粉飾決算疑惑につながり、グループの支配構造にまで議論が拡大する様相だ。パク・ヨンジン議員は、「(粉飾決算の)実質的な過程にサムスン物産も参加し、グループ未来戦略室までが共謀した状況で、サムスン物産にまで粉飾決算の情況がある。この部分を証券先物委や金融監督院が確認すべきだ」と主張した。チェ・ジョング金融委員長は「パク議員が提起した疑惑も(証券先物委で)かなり深く議論されていると思う」とし、「(証券先物委が結論を下す上で)現在までわざと時間を引き延ばしたりすることはない。最大限公正な結論が出されると期待している」と語った。

 参与連帯は論評を出し、「すでにサムスンバイオ粉飾決算と関連した告発と物産・毛織合併比率の操作疑惑に対する告発もなされている状況なので、サムスングループの次元で進められる可能性がある証拠隠滅を防ぐため、金融監督院と検察の積極的な監理および捜査を求める」と明らかにした。

イ・ワン、ソン・ギョンファ、ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/869297.html韓国語原文入力:2018-11-07 21:28
訳M.C

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