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低所得層の勤労所得が減少し所得不平等も悪化

登録:2017-12-22 02:00 修正:2017-12-22 20:41
2017年家計金融・福祉調査 
 
世帯当りの所得2.6%増え500万円 
下位層の暮らし一層厳しく…所得不平等が悪化 
60歳以上の高齢者貧困もさらに悪化 
 
全体世帯の平均負債約700万円 
30歳未満の世帯は約240万円 
規模大きくないが、高い増加傾向 
対仮処分所得比負債比率が80%

 昨年の所得下位20%階層の勤労所得が減り、所得分配の指標が悪化したことが分かった。特に、昨年の高齢者の相対的貧困率が1年前より0.6%ポイント上昇し、20代の若者たちの家計負債は42%も急増した。

 21日、統計庁や金融監督院、韓国銀行が共同で発表した「2017年家計金融・福祉調査結果」によると、昨年の世帯当り平均所得は5010万ウォン(約500万円)で、前年(4882万ウォン)より2.6%上がっており、税金・公的年金の支出額などを除いた可処分所得も4118万ウォン(約420万円)で、2015年(4021万ウォン)より2.4%増に止まった。世帯員当たり可処分所得を基準としたジニ係数は昨年は0.357で、前年より0.003ポイント上昇した。ジニ係数は1に近いほど所得不平等度が悪化したことを意味する。所得上位20%の平均値を下位20%の所得の平均値で割った5分位倍率も昨年は7.06倍で、一年前(7.01倍)より悪化した。

2017年家計金融・福祉調査 (資料:統計庁、金融監督院、韓国銀行)//ハンギョレ新聞社

■貧困にあえぐ高齢者たち

 今回発表されたジニ係数は、国税庁の課税資料などの行政資料を補完して新たに算出したものだ。従来の指標が高所得層の所得縮小申告などで現実をまともに反映していないという指摘によるものだ。これを基準にすると、経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち韓国の所得配分の不平等度(ジニ係数)の順位は、2015年基準で比較可能な35の加盟国平均(0.317)を大きく上回るのはもとより、6番目に深刻な水準だ。従来の指標ではOECD加盟国内の順位では中間水準だった。

 政府は主な原因として、景気低迷に伴い低所得層の雇用の臨時・日雇い労働の仕事が減ったのに加えて、所得下位70%の高齢者に支給される基礎年金導入の効果が減ったことを挙げた。キム・イハン企画財政部政策企画課長は「臨時・日雇いの働き口が消え、昨年1分位世帯の勤労所得が前年より5.1%減少し、2014年に導入された基礎年金制度による移転所得増大効果が停滞したことで、分配指標が悪化したものとみられる」と診断した。

 特に高齢化により高齢者人口が増え、貧困問題も深刻化している。66歳以上の引退年齢層(高齢者)の相対的貧困率は昨年44.5%で、前年より0.6%ポイントも上昇した。これに比べて勤労年齢層の相対的貧困率は13.1%で、前年より0.1%ポイント低くなった。統計庁側は「勤労所得が低く、年金など移転所得もまだ十分でない高齢者人口が引き続き流入しており、高齢者の貧困はこれからも深刻化する可能性が高い」と説明した。今年3月末基準で世帯主が引退した世帯は17.4%であり、実際の引退年齢は62.1歳であることが分かった。世帯主と配偶者の生活費の貯えに「余裕のある世帯」は8.0%に止まった反面、「不十分な世帯」と「非常に足りない世帯」はそれぞれ39.9%と22.4%に達する。

■負債返済の負担大きくなった20代

 世帯主が30歳未満の世帯の負債は2385万ウォン(今年3月末基準)で、昨年(1681万ウォン)より41.9%急増した。全体世帯の平均負債(7022万ウォン)に比べると多い方ではないが、増加傾向が非常に急激だった。30代の場合昨年より16.1%、40代は5.1%、50代は1.8%、60代以上は2.9%ずつ負債が増えた。統計庁側は「全般的に不動産景気が活気を帯び、20代の場合にも不動産購入や賃貸による融資が増加し、負債が急増したものと把握される」と説明した。

 借金の返済負担を示す対可処分所得比金融負債は、今年3月は121.4%と、昨年(117.4%)より4%ポイント上昇した。所得上位20%の5分位世帯の対可処分所得比金融負債の比率は昨年121.5%から119.6%に減った反面、所得下位20%の1分位世帯は同期間100.4%から111.2%に高まった。30歳未満の若年層も同期間56.4%から79.6%へと急増した。他の年齢層に比べて借金の返済負担が大きく増えたと言える。

 企財部側は「1分位世帯でも不動産など実物資産が増えただけに、不動産の購入などのための融資が増えたものと見られるが、他の階層に比べて絶対規模が大きくないため、小さな動きにも増加幅が大きくなったものと分析される」とし、「ただし、返済負担が大きくならざるを得ない低所得層と若年層の負債の増加は懸念すべき」と明らかにした。

パン・ジュノ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/824600.html韓国語原文入力:2017-12-21 22:21
訳H.J

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