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カカオジャパンの漫画アプリ「ピッコマ」に日本マンガファンが魅了された

登録:2017-12-01 08:06 修正:2017-12-01 20:29
キム・ジェヨン・カカオジャパン代表インタビュー 
 
ピッコマアプリ、発足1年7カ月で  
1日100万人が閲覧…アップルの“ブック”アプリで2位 
「待てば無料」「今だけ無料」が人気 
カカオ、グローバル企業へのけん引に期待
キム・ジェヨン・カカオジャパン代表//ハンギョレ新聞社

 東京都港区六本木7-7-7番地トライセブンビル7階。「ピッコマ」というブランドで日本の漫画アプリケーション(アプリ)市場に突風を巻き起こし、カカオのグローバル企業への跳躍の可能性を垣間見せるカカオジャパンの事務所の住所だ。「住所の数字が普通じゃないでしょう。私は出勤のたびに『幸運の数字の城』に入ると想像します」

 29日、事務所で会ったカカオジャパン代表のキム・ジェヨン氏(42)は「『大ヒットしている』という人もいるが、私は『希望を見た』と言いたい」と話した。「ピッコマを始めたのは昨年4月20日で、5月14日には1日の訪問者数が数十人、売上げはたったの200円だった」。彼は「この日スタッフたちを集めて、1日の閲覧者数1万人を突破するようにしよう話したら、『何を言ってるんだ?』という表情がありありと見えた」と、当時の状況を伝えた。

 しかし、この目標はそれから2カ月(7月19日)で達成し、その10日後には2万人を突破した。昨年末には1日の平均閲覧者数が25万人を超え、年間売り上げも急速に増え2億1300万円に達した。今年に入ってピッコマの成長はより拍車がかかった。11月末基準で1日の閲覧者数が100万人を超え、3四半期基準の売上は7億円を超えた。3四半期の売上を2四半期と比べると、205%の増加だ。この過程でアップルのアプリストアの「ブック」カテゴリでピッコマが売上基準で今年1月に初めて10位に上がり、7月には2位(1位はLINEの「LINEマンガ」)へと跳ね上がり、今まで維持されている。

 キム代表は「『待てば無料』という変わった有料化モデルが受け入れられた」と話した。これは長編漫画一冊を5~6編に分けた後、1編を読んだ後24時間待てば2編を無料で読めるようにしたものだ。1日待てず、次の編を見るためにはお金を払わなければならない。最近は「今回だけ無料」モデルも追加した。1編読めば、次の編を無料で読める時間を指定してくれる。その時間を逃がしたり早く見た場合は、お金を払わなければならない。

カカオジャパンの漫画アプリ「ピッコマ」画面//ハンギョレ新聞社

 日本ではじめて登場したモデルだった。それで漫画の著作権を持った出版社から冷遇を受けた。漫画を買って読むのが一般化しており、すでに漫画市場が2兆ウォン(2千億円)を超える状況で、あえて分けて有料化するモデルが必要ではなかったのだ。事業モデルを説明しに行ってひどい言葉を浴びせられることも多かった。

 「漫画マニアでない人たちも毎日少しずつ漫画を読む習慣を持つようにするビジネスモデルだと説明した。お金を払ってコンテンツを読む習慣を持たせられるという点も強調した」。キム代表は「無料時間を守らずお金を出して読むなら事業の収益性の面で良く、時間を守って無料で見ても毎日訪問して漫画を読むようにする習慣を持たせ、漫画の環境を育てられると考えた」と話した。

 キム代表は「特にコンテンツにお金を払って毎日読むようにする習慣を持たせ、クリエーターたちの努力が正当な報奨を受けるようにすべきだと強調したのが、出版社やクリエーターたちに受け入れられた」と明らかにした。このため、最初からアプリに広告を入れず、今も広告を付けようという提案は殺到しているが全て断っていると話した。「広告をつけると、コンテンツを無料で提供する方向に流れるしかない」というのが彼の掲げる理由だ。

 彼のこのような「こだわり」に共感する出版社とクリエーターたちが増え、ピッコマを通じてサービスされる漫画の作品数も急増している。7月には28社だった出版社の数が、今は主な大手出版社を含め56社に増えており、漫画作品数は1343種にのぼる。10年前に画かれた漫画、親世代の頃に画かれ人気を集めた漫画などもサービスされている。カカオジャパンは12月26日夕方、ユーザーたちを六本木映画館に招待し、大型スクリーンで漫画を一緒に見るイベントも企画しているが、すでに2万人が申し込んだ。

 カカオジャパンはすでに2020年に年間売上1兆ウォン(1千億円)を達成し、同年に上場するという目標まで立てている。もう主管会社の選定を急いでいる。キム代表は「韓国の漫画市場は5千億ウォン(500億円)程度なのに比べ、日本はモバイル漫画市場だけでも2兆5千億ウォン(2500億円)に上る。2020年ごろには会社の価値が10兆ウォンを上回るだろうという夢を持っている」と話した。昨年7月15日にLINEが上場する時と同程度の規模だ。すでにカカオ経営陣側では、LINEがネイバーをグローバル企業に引き上げたように、カカオジャパンがカカオをグローバル企業に一新させるだろうという期待を見せている。

 キム代表は大一外国語高校を出た後、慶煕大学で英文学と経営学を専攻した後、2006年にLINE(当時はNHNジャパン)に入社し、クリエイティブセンター長まで務めた。2015年5月、カカオの創業者件取締役会議長であるキム・ボムス氏の3カ月にわたる“求愛”でカカオジャパン代表に移籍した。彼は「ピッコマの成長の秘訣は『コンテンツのための、コンテンツ生態系のための、良質のコンテンツのための』という信念を守っているからだと思う」とし、「これをずっと守り続けたい」という思いを表した。

東京/キム・ジェソプ記者、写真/カカオ提供 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/it/821453.html韓国語原文入力:2017-11-30 21:45
訳M.C

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