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韓国に投資加速する中国、カカオ・ゲーム会社・健康医療まで多様化

登録:2015-12-22 23:29 修正:2015-12-23 07:17
チャイナマネーの韓国投資を調べると
韓国で国民的メッセンジャーのカカオの2大株主で中国のゲーム開発会社・モバイルメッセンジャー業者のテンセント//ハンギョレ新聞社

 中国のゲーム開発会社でありモバイルメッセンジャー業者でもあるテンセントは、2012年に720億ウォン(約73億円)を投資して韓国の国民的メッセンジャー「カカオ」の株式持分13.3%を買収した。 キム・ボムス議長に続きテンセントをナンバー2の株主として迎えたカカオの企業価値は、当時5000億ウォン程度と評価された。 その後、カカオの成功神話は続き、ポータルのダウムと合併した後にはコスダックにも上場された。 現在テンセントのカカオ持分は9.3%だが、22日現在、カカオの時価総額は6兆7000億ウォン程度であることを考えるとテンセントは約3年で投資額を10倍近く膨らませる大ヒットを飛ばしたわけだ。

業界「ウシガエルのように食べてしまう」
「戦略産業を保護しながら活用する知恵を」

 当時も大きな話題であったテンセントのカカオへの投資は、中国資本がどのようにして韓国市場に進出するかを見せる典型として挙げられる。 将来の展望が良い情報技術(IT)やコンテンツ業者の株式持分をあらかじめ買っておき、後日に大ヒットとする方法だ。

 カカオ投資で利益を得たテンセントは、昨年上半期に「モンスター飼い慣らし」と「皆のマーブル」シリーズで有名なCJ系列のゲーム会社ネットマーブルに5300億ウォン(約5億ドル)を投資し、別のゲーム会社にも数百億ウォン台の投資を執行した。 昨年8月には中国のオンライン・ポータルサイトである捜狐(Sofu)ドットコムが、子会社のフォックスビデオを通じてペ・ヨンジュン、キム・スヒョンらが所属している「キーイースト」に150億ウォンを投資して、ペ・ヨンジュンに次ぐ2番目の株主になり、9月には韓国初の乳幼児服企業である「アガバン」が中国の女性服企業である「ランシー」に吸収された。 10月には中国の映画・テレビ番組の製作・配給会社であるファチェクメディアグループが観客1000万人を集めた映画「7番房の奇跡」と「弁護人」を投資・配給した韓国の映画会社「ニュー(new)」に566億ウォンを投資して第2の株主の席を占めた。

2月に9億34000万ドルを投資して東洋生命の持ち株63.02%を買収した中国の安邦保険//ハンギョレ新聞社

 このように中国資本の対韓国投資が昨年から急増し、分野も多様化している。 特に今年に入ってからは保険会社の東洋生命、化粧品会社の「イッツスキン」、メーカーの「済州(チェジュ)半導体」、健康医療企業の「トゥリムシーアイエス(CIS)」などを相次いで買収し、中国資本の韓国投資が質的にも変化していると分析されている。 投資対象業種が情報技術・コンテンツを越えて、金融・ヘルスケア・製造業分野に拡がり、投資の性格も単純な持分投資から経営参加が次第に増加しているためだ。

 投資銀行(IB)業界ではこのような中国資本をよくウシガエルに比喩する。 ついこの前まで存在しなかった外来種の捕食者だが、食欲が半端でないという理由からだ。 最も憂慮されるシナリオは、敵対的吸収・合併の現実化だ。 韓国の経営陣が追い出され、苦労の末に積み重ねた技術力とノウハウが海外に流出する状況をいう。 実際、カカオが一時実績不振で困難に陥ると、テンセントが究極的にはカカオ吸収に乗り出すのではないかという観測も出た。

 問題は法で外国人投資を制限する業種でなければ、中国資本だからと差別待遇はできない点だ。 イ・チフン国際金融センター中国チーム長は「(中国資本の韓国投資は)先進技術を習得するための当然の努力として理解するべきで、排他的に見るべきではない。吸収・合併は見方を変えれば韓国企業に対する投資だ。 戦略産業に対する保護装置は必要だが、韓国に利益になるよううまく活用する知恵が必要だ」と話した。

 実際、中国資本の企業ハンティングは韓国だけに焦点を合わせているわけではない。 中国紫光集団はメモリー半導体分野でサムスンとハイニックスを追撃するため、今年10月に世界4位のNANDフラッシュ企業であるSandiskを21兆6500億ウォン(2兆2千億円)で買収し、テンセントは世界的に有名な「リーグ オブ レジェンド(LOL)」を開発した米国のゲーム企業ライアットゲームズの株式持分を2011年から着実に買収し、17日に100%子会社にした。

 中国資本の企業ハンティングが世界的現象ならば、このような現実を認めて実利を手にする戦略を繰り広げなければならないという意見もある。 韓国金融研究院のチ・マンス研究員は「既存の外国資本の投資は、韓国で工場を作り雇用を創り出すのが一般的なモデルだったが、中国資本は企業吸収を望むだけという点で相互の期待が外れて不一致が発生している。 鍵を投資する側が握っているならば、韓国側としてはそれをうまく活用する知恵が必要だ」と話した。

イ・スニョク記者、クァク・ジョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/globaleconomy/723039.html 韓国語原文入力:2015-12-22 19:44
訳J.S(2122字)

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