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不況の韓国で日本の「失われた20年」ヒット商品を分析

登録:2015-09-09 11:01 修正:2015-09-09 21:35

100円ショップや80円バーガーが大人気
高級コーヒーやカットケーキなど
“小さな贅沢品”も癒しの対象に
高齢化で健康食品にも脚光

低成長期に突入した韓国の有望業種
コンビニ・コンテンツ・製薬に注目すべき

日本の不況期のヒット商品//ハンギョレ新聞社

 失われた20年と呼ばれる低成長期に、日本ではどんな商品が売れたのか。韓国経済が低成長局面に入り、関心が再び高まっている。

 韓国投資証券は8日、日本の流行情報誌「日経トレンディー」が選んだ1990~2009年のヒット商品を分析し、「日本、失われた20年のヒット商品」と題した報告書を出した。低成長期の日本ではプライベートブランド(PB)商品をはじめとする低価格商品、“小さい贅沢感”を持たせる高価格のコーヒーなどの癒し商品、高齢化にともなう健康管理商品が人気を呼んだとする分析結果を出した。

 報告書はまず、90年代のバブル崩壊期の日本と現在の韓国経済が似ていると説明する。日本は国民所得3万ドル(1992年)から4万ドルに達する(2010年)のに18年かかった。消費の成長寄与度が1960年代の6.6%ポイントから2000年代の0.7%ポイントまで持続的に下落したためだ。韓国もやはり国民所得が3万ドルに近接した時点で消費不振が現れている。雇用不振、所得分配悪化、経常収支黒字に政府財政悪化、高齢化社会に突入した人口構造の面でも類似点を示す。

 不況期の日本で人気を呼んだ代表的な商品は節約商品だ。100円ショップ(陳列された多くの商品価格が100円の商店)、マクドナルドの80円バーガー、低価格の牛丼などが人気を呼んだ。高齢化によりアルコール飲料を楽しむ年齢層(20~64歳)が減り、一般のビールより税金が少なく価格が安い発泡酒が人気を呼んだ。韓国でも人気を呼んでいる低価格衣類ブランドのユニクロが大きな人気を得たのも2000年からだ。また、流通費用を節減し低価格を実現したプライベートブランド商品が不況初期の1994年から人気を呼んだ。2000年代の後半からはコンビニを中心に高級化したプライベートブランド商品が人気を呼んでいる。2006年に2202億円だったイオン(Aeon)のプライベートブランド商品の売上額は、2008年に3688億円に大きく増えた。

 と同時に、節約に飽きた消費者は高いコーヒー、高級カットケーキなど“小さな贅沢品”に癒しを求め始めた。日経トレンディーに載った資料では、1999年に高級カフェ、2000年にスターバックスコーヒー、2003年に高級三角のり巻きが人気商品の目録に登場した。食事も楽しみも家ですます人も増えた。2000年にはプレーステーション2、2006年には任天堂DSが大人気を呼び、自宅で簡単な調理で料理を完成し、外食費を減らせる簡易食品などはすでに1992年に人気商品の目録に載った。

 不況でも高齢化が進行し健康関連商品はよく売れた。1995年に健康補助食が人気商品のリストに上がり、1996年にシュガーフリー食品、2005年にはロハス、2006年にはメタボリックシンドローム対策の商品が人気を呼んだ。

 韓国投資証券はこうした分析を基に、韓国の低成長期の有望業種として、BGFリテール、GSリテールのようなコンビニ、CJE&Mなどのコンテンツ業種、セルトゥリオンをはじめとする製薬業種を挙げた。コンビニはプライベートブランド商品の主導的な流通チャネルになる可能性が高く、韓国でも簡易食の人気、オンデマンドビデオ(VOD)の市場拡大など、自宅で安く楽しめる傾向が高くなるにつれコンテンツ業者の成長可能性があり、高齢化と複製薬(バイオシミラー)の成長性を考慮すると、製薬業種も注目する必要があるという。

 韓国投資証券のイ・スジョン研究員は「過去の日本の事例研究を通して、今後の韓国で展開される長期低成長・消費萎縮時代の構造的成長産業に対する示唆点を得ることができる。今後の韓国の経済成長率は、日本の長期不況期での短い回復期(成長率0~2%台)と似たレベルと予想する」と語った。

キム・ヒョジン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-09-08 20:51

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/708041.html 訳Y.B

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