「同じカロリーの食事をとったとしても、間欠的ファスティング(断食)の方式で食べた場合、体重減少に若干の効果がある」
米国ミシシッピ大学の研究チームが最近明らかにした研究結果だ。
ミシシッピ大学の研究チームは、関連する15編の既存の研究を総合分析した結果、このような結論を下すことになったと明らかにした。ミシシッピ大学の研究チームは、最初に間欠的ファスティングに関する論文1005編を検索した後、重複や類似のものなどを除去し、最終的に15編の論文を分析対象とした。参考にした既存の研究には、4週間の食事習慣の比較をした研究6編、8週間継続した研究7編、そして、12週間で比較した研究1編が含まれている。また、研究の約半数は米国で実施され、研究に参加した人員の合計は338人だった。分析された研究のうち、参加者の肥満指数(BMI)の平均は、正常な体重から過剰体重まで様々だった。全参加者の平均年齢は約29歳。
既存の研究は、通常の1日3食で食事をするグループと、1日に12~20時間かけて間欠的ファスティングをする人たちを比較する手法で進められた。このうち、「12時間の間欠的ファスティング」は、たとえば午後6時に夕方の食事をした後、翌朝8時までは何も食べない食事方法を指す。また、「20時間の間欠的ファスティング」は、たとえば午後12時に朝食兼昼食をとった後、午後4時までに夕食を終えるものだ。そして、午後4時以後から翌日12時までは断食を行う。
ミシシッピ大学は、これらの既存の研究の検討後、「時間制限的な間欠的ファスティングは、食事時間を制限しなかった場合より、脂肪量と体脂肪率を低下させるのに役立つ可能性があることを示している」と結論を出した。間欠的ファスティングが効果的であることは、BMI、運動の種類、年齢、エネルギー摂取量、または研究期間が異なる既存の研究でもすべて同一にみられた。
しかし、間欠的ファスティングの体重減少効果は大きくはなかった。研究チームは脂肪量(kg)の減少効果は有意に発生したが、-0.20程度の大きさだったことを明らかにし、体脂肪率(BF、体重に対する体脂肪の割合、%)は-0.23の減少だったと報告した。
場合によっては、「この程度の減少効果を生じさせるために、つらい間欠的ファスティングを実施しなければならないのか」という気にさせるかもしれない程度の減少量だ。
しかし、既存の研究のほとんどが4~12週間に実施された結果であるだけに、もし継続的に間欠的ファスティングを行うのであれば、脂肪量や体脂肪率の減少効果はよりいっそう高まる可能性がある。
また研究チームは、なぜ間欠的ファスティングが伝統的な朝・昼食・夕食の3度の食事よりも体重減少効果が生じるのかについては、今後の課題にすることを明らかにした。
間欠的ファスティングを体重減少目的に実施するかどうかを決めるためには、現時点では追加の研究結果が必要とみられる。
ミシシッピ大学の研究チームの論文は「国際肥満ジャーナル」(International Journal of Obesity)のオープンアクセス部門に、今月10日掲載された。