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121年前の大韓帝国の「コレラ」指針書…コロナ対策と類似

登録:2023-08-22 19:15 修正:2023-08-23 13:56
『虎列刺病豫防注意書』国家登録文化財に登録
国家登録文化財に登録告示された医書『虎列刺病豫防注意書』陰城郡提供//ハンギョレ新聞社

 「菌が口から入っても歯磨きなどで自然に滅菌でき、腸に至って発病するが腸が健康であれば発病しないこともあるため、腸の健康が重要だ」

 『虎列刺病豫防注意書』4章に出てくる文だ。『虎列刺病豫防注意書』は、大韓帝国が1899年に近代式医科大学として設立した官立医学校が1902年(光武6年)に刊行した医学書籍である。虎列刺は現在のコレラで、コレラ予防注意書ということになる。

 この本は、忠清北道陰城(ウムソン)にある韓独医薬博物館が所蔵しており、10日に国家登録文化財に登録告示された。この本は大韓医師学会創立を主導し『韓国医学史』(1954年)などを出した故キム・ドゥジョン氏(1896~1988)が韓独医薬博物館に寄贈したものだ。

国家登録文化財に登録告示された医書『虎列刺病豫防注意書』=陰城郡提供//ハンギョレ新聞社

 ハングルと漢文を混用して書かれたこの本は、コレラ菌の性質、人体への侵入経路、人体の防御、コレラ病と流行、予防法、個人衛生、患者管理、消毒法などで構成されているが、新型コロナウイルス感染症など現代の伝染病予防・治療・防疫・管理方法と似ている。

 韓独医薬博物館が『虎列刺病豫防注意書』を分析した資料によれば、人が多く集まる所やコレラの流行地への出入りをしないよう指摘しており、現代のソーシャルディスタンシング・集合禁止と似ている。コレラへの感染が疑われる場合には早めの診察を勧めている部分も新型コロナの迅速抗原検査、選別検査所運営などと似ており、隔離病院・消毒所の設置は専担病院設置と似ている。洗顔・歯磨きの勧告は個人衛生、避病衣(防疫服)着用は防疫服・マスク着用と類似している。韓独医薬博物館のキル・イェジ学芸研究員は「『虎列刺病豫防注意書』は当時細菌性伝染病であったコレラ防疫指針書の形で書かれたものとみられる」とし「新型コロナ感染症など現代の伝染病の防疫指針・管理と似ている部分が多い」と述べた。

オ・ユンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/chungcheong/1105315.html韓国語原文入力:2023-08-22 16:27
訳J.S

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