韓国初の月探査機「タヌリ」が先月2日から1カ月間にかけて月の任務軌道で試運転をしながら撮影した月面写真が公開された。
科学技術情報通信部と韓国航空宇宙研究院(航宇研)が13日に公開した写真は、タヌリが月の約100キロメートル上空から高解像度モノクロカメラで撮ったもの。両機関は「この写真は韓国が初めて月で撮影した月面写真という点で大きな意味がある」と明らかにした。
航宇研はこれに先立ち、昨年12月31日と今年1月1日にタヌリが撮影した写真も公開したが、これらの写真は任務軌道に進入する前に地球と月が全て見えるよう構図を定め、月面が斜めに傾いている。航宇研のキム・デグァン月探査事業団長は「今回の写真は探査船が固有の目的により任務軌道で月面を垂直に眺め、位置と座標を計算しながら初めて撮ったものであり、科学的データの意味がさらに確実になっている」と説明した。
今回公開された写真は、月に隕石が衝突してできた「クレーター」が複数集まって形成された「レイタ峡谷」(1月5日撮影)と「雨の海」(1月10日撮影)、「嵐の大洋」(1月13日)など月の「海」の地域だ。海は月の表面で黒く見えるところで、クレーターが月のマグマによって覆われて形成された広大な平原地帯をいう。
「嵐の大洋」は月では最も大きな海で、人類初の月着陸船(旧ソ連ルナ9号)が着陸したところだ。「雨の海」は人類初の月面車(旧ソ連のルノホート1号)の探査した地域だ。
科学技術情報通信部と航宇研は、タヌリが1月6日から今月4日までの約1カ月間にかけて一日に一回地球を撮影した、地球の位相が変わる姿を見せる写真も公開した。航宇研は「タヌリは一カ月間の試運転過程で本体と搭載体の正常作動を確認し、2月4日から正常任務に着手した」として「今年末までに6つの搭載体で月科学研究(月面偏光映像観測、磁場・放射線観測など)、宇宙インターネット技術検証などの科学技術任務を遂行する予定」と明らかにした。