自然と動物の世界は知れば知るほど神秘的で驚異に満ちています。アニマルピープルの週間ニュースレターを担当するデン記者(犬種:ビーグル、6歳)が、36年目の環境専門記者であるチョ・ホンソプ先任記者に、不思議な動物の世界について「小さな問い」を投げかけます。何でも聞いてください。
Q.デン記者の問い
先輩、交尾の後に生き残るために素早く逃げるオスのクモの記事、興味深く拝見しました。よくカマキリやクモは、このように交尾した後にメスがオスを食べるということが知られていますよね。見たところ、オスグモも死にたくないから「非常脱出」しているようですが、一体なぜメスはオスを食べるんですか。他の動物にもこのような例はありますか。
A.チョ記者の答え
人肉を食べる人間をカニバルと言い、そのような行動をカニバリズム(共食い)と言うんだ。人を含めて1500種以上の動物で報告されているから、結構ありふれた行動なんだよ。特に水生動物の90%は少なくとも生活史の一時期に共食いをする。大きなおたまじゃくしが小さなおたまじゃくしを食べたり、口の大きなカエルが小さいカエルを食べたり…。成体が幼体を捕食する行動は、共食いをする哺乳類の84%と爬虫類の80%で見られる。
どうしてそんなことをするのかって? エサが足りない時に、自分の体に似た同種の体ほどぴったりなエサはないからだよ。しかもライバルを減らす効果もある。でも負の効果も少なくないんだ。いま現在のエサは増えても群れの規模が小さくなるし、同じ種だから病原菌や寄生虫にたやすく感染する。ただし、共食いは必ずしも極端なエサ不足から起きるわけではないんだ。質問の性的共食いが代表的な例だ。
クモやカマキリ、サソリなどは、交尾をする前や後、または途中に、相手を捕食する性的共食いをするんだけど、食われる側はほとんどがオスだ(最近オスがメスを捕食するヘビが報告されて話題になった)。それはなぜか。オスは自分の精子を残して他のメスを探しに行くけど、メスはその後大変な生殖過程を担うだろ。メスはいつも足りないんだ。もしオスがメスを食べてしまったら、結果的にオスは潜在的な交尾の相手を失うわけで、そのような方向には進化が起きないんだ。
逆にメスがオスを食べて十分な栄養分が確保できれば、メスはしっかりした卵を産めるし、オスにとっても、命を失って別の交尾の機会を逃すことにはなっても、より丈夫な子孫を残せるわけで、必ずしも損ばかりではないんだ。実際に、交尾の時にオスを食べた北米原産のハシリグモの仲間のメスは、そうでないメスより大きく、多くの卵を産み、子の生存率も高かったという研究結果もある。
でもオスの立場からすれば、メスと交尾して逃げることに成功して、別のメスと交尾できるというのがいちばんの得になるだろ。だからオスは、交尾が終わった後もメスに食われないようにするための各種の奇想天外な回避戦略を開発してきたというわけだ。